专利摘要:
金属塩溶液から金属を析出させて基板上に金属の層を形成する方法であって、前記基板表面中に膨張黒鉛が存在することを特徴とする方法。なし
公开号:JP2011513567A
申请号:JP2010550208
申请日:2009-03-13
公开日:2011-04-28
发明作者:ヴァーグナー,ノルベルト;キーブルク,クリストファー;ヘルメス,シュテファン;ヨシ,ケタン
申请人:ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se;
IPC主号:H05K3-00
专利说明:

[0001] 本発明は、金属塩溶液からの金属を析出させて基板上に金属層を形成するための方法と分散剤と、基板上に金属層を形成するための膨張黒鉛の利用と、金属化可能な熱可塑性成形用組成物に関する。]
背景技術

[0002] 非導電性材料、例えばプラスチックの金属化には、既知の方法がある。これらの金属化された部品、例えば金属化プラスチック部品は、巾広い応用分野で利用されており、例えばこれらの電気伝導度のため電気部品としての利用が可能である。これらは、金属のみから作られた部品と外観が同じであって重量や生産コストが低いという利点を持つため、特に装飾分野で広く利用されている。]
[0003] プラスチックに電気伝導性を与える(電解めっき法による金属析出で前処理が必要)ある既知の方法は、炭素ナノチューブまたは炭素ナノフィルリルをプラスチックまたは塗料分散液に導入することである。これらの導電性炭素ナノチューブの他の利点は、これらが、例えば金属粉より軽いことや、通常プラスチックの靭性を強化することである。好適な製造方法、熱可塑性成形用組成物、または分散液が、例えばWO2008/015169やWO2008/015167、WO2008/015168に記載されている。]
先行技術

[0004] WO2008/015169
WO2008/015167
WO2008/015168]
発明が解決しようとする課題

[0005] 本発明の目的は、化学めっき及び/又は電解めっき法により金属塩溶液から金属を析出させて基板上に金属層を形成する方法の改善方法を提供することである。ある特定の目的は、比較的短い電解めっき時間で低コストかつ好品質で、基板上に基板によく接合した金属層を形成して、比較的軽い金属化基板を与える方法を提供することである。]
[0006] 本発明のもう一つの目的は、既知の金属化可能な成形物と比べると機械的特性、特に強靭靭性や成形性に、また加工特性、例えば複雑な形状の部品の製造のための成形プロセスにおける加工特性に優れ、プラスチック表面に複雑な前処理を施すことなく金属化が可能で、さらに低重量と高表面電気導電性とからなる改善された組合せの性能をもつ金属化可能なプラスチック成形物を提供することである。]
[0007] 本発明のもう一つの目的は、既知のシステムと比べると低重量や良接着性、良分散性、良流動性、高電気伝導性からなる改善された組合せの性質を持ち、速やかに金属化が可能な、非電気伝導性基板の均一で連続的な金属性塗料用の最適化システム特に導電性ラッカーまたは導電性分散液を用いるシステムを提供することである。]
[0008] 本発明のもう一つの目的は、裏打ち材上に、導電性で構造性または非構造性の表面(これらの表面は均一かつ連続的に導電性である)を形成する代替プロセスを提供することである。]
課題を解決するための手段

[0009] したがって、上述した化学めっき及び/又は電解めっき法により金属塩溶液から金属を析出させて基板上に金属の層を形成する方法が見出された。これらの方法に必須の要素は、基板の表面が膨張黒鉛を含んでいることである。]
[0010] また、基板上に金属層を形成するためへの膨張黒鉛の利用も見出された。]
[0011] 本発明の方法により、化学めっき及び/又は電解めっき法により金属塩溶液から金属塩を析出させて基板上に金属層をより効率的に形成することができる。特に、本発明の方法により、比較的短い電解めっき時間で低コストかつ好品質で、基板によく接合する金属層を基板上に形成することができるようになる。得られる金属化基板は比較的低重量である。]
[0012] 無電流法及び/又は電解めっき法により金属化が可能な成形物の生産用の熱可塑性成形用組成物は、成分AとBとCとDの総質量(100質量%)に対して、
a 成分Aとして20〜99質量%の熱可塑性ポリマーと、
b 成分Bとして1〜30質量%の膨張黒鉛と、
c 成分Cとして1〜70質量%の導電性粒子で、平均粒子径が0.01〜100μmであるものと、
d 成分Dとして0〜10質量%の分散剤と、
e 成分Eとして0〜40質量%の繊維状のまたは粒子状の充填材、またはこれらの混合物を含んでいることが明らかとなった。]
[0013] 本発明はまた、無電流法及び/又は電解めっき法で金属化される成形物の製造方法と、金属化成形物の利用を提供し、また導電性部品、電磁波の吸収体やアッテネーター、反射体などのEMI遮蔽装置、ガスバリア体、これらの部品を含む装飾材を提供する。]
[0014] 本発明の熱可塑性成形用組成物は、優れた機械的性質、特に強靱性および成形性をもち、また良加工特性で、例えば複雑な形状の部品の製造プロセスにおける加工特性に優れ、プラスチック表面の前処理なしに金属化が可能で、さらに低重量と高表面導電性からなる改善された組合せの性質をもつ点において、既知の金属化可能な成形物とは対照的な金属化可能なプラスチック成形物を提供するのに、極めて重要である。]
[0015] 無電流法及び/又は電解めっき法で金属化可能な成形物の製造用のこれらの本発明の熱可塑性成形用組成物は、成分A、B、C、D及びEの総質量(100質量%)に対して、
a 20〜98質量%の、好ましくは38〜88質量%の、特に好ましくは46〜70質量%の成分Aと、
b 1〜30質量%の、好ましくは2〜25質量%の、特に好ましくは4〜20質量%の成分Bと、
c 1〜70質量%の、好ましくは10〜60質量%の特に好ましくは20〜50質量%の成分Cと、
d 0〜10質量%の、好ましくは0〜8質量%の、特に好ましくは0〜5質量%の成分Dと、
e 0〜40質量%の、好ましくは0〜30質量%の、特に好ましくは0〜10質量%の成分Eとを含んでいる。
また、非導電性基板上に金属層を形成するための分散液は、
a 成分Aとして、成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜99.8質量%の有機の結着剤と、
b 成分Bとして、成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜30質量%の膨張黒鉛と、
c 成分Cとして、成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜70質量%の平均粒子径が0.01〜100μmである導電性粒子と、
d 成分Dとして、成分A、B、C及びDの総質量に対して0〜99.7質量%の溶媒
を含むことが見いだされた。]
[0016] この分散液の製法方法、またこの分散の利用、非導電性基板の表面上に金属層を形成する方法、基板表面、およびこれらの利用も明らかとなった。]
[0017] 本発明の分散液は、既知のシステムと比べると低重量や良接着性、良分散性、良流動性、高電気伝導性からなる改善された組合せの性質を持つ、非電気伝導性基板の金属性塗料用の最適化システム、特に導電性ラッカーまたは導電性分散液を用いるシステムを提供するのに極めて重要である。]
[0018] この非導電性基板上に金属層を形成するための分散液は、成分A、B、C及びDの総質量(100質量%)に対して、
a 0.1〜99.8質量%の、好ましくは2〜87.5質量%の、特に好ましくは4〜80質量%の成分Aと、
b 0.1〜30質量%の、好ましくは0.5〜20質量%の、特に好ましくは1〜15質量%の成分Bと、
c 0.1〜70質量%の、好ましくは2〜65質量%の、特に好ましくは4〜55質量%の成分Cと、
d 0〜99.7質量%と、好ましくは10〜95.5質量%と、特に好ましくは15〜91質量%の成分Dとを含んでいる。]
[0019] 本発明の分散液は、上記の成分A〜D以外に、少なくとも一種の以下の成分を含んでいてもよい。]
[0020] e 成分A〜Dの総質量に対して0.1〜20質量%の、好ましくは0.5〜10質量%の、特に好ましくは1〜6質量%の分散剤成分Eと、
f 成分A〜Dの総質量に対して0.1〜40質量%の、好ましくは0.5〜30質量%の、特に好ましくは1〜10質量%の少なくとも一種の他の添加物F。
以下においては、成分Aを成分A’として、成分Dを成分C’、成分Eを成分D’、また成分Fを成分E’として述べる。]
[0021] 本発明により、膨張黒鉛が炭素ナノチューブを代替するのに優れた結果を与え、また電解めっき法により金属化可能な熱可塑性成形物の製造に、また塗料分散の提供に、簡単な方法を提供することが明らかとなった。ここでは、非常に少量の膨張黒鉛を用いることができる。]
[0022] 本発明の熱可塑性成形用組成物は、一般的には、0.1〜30質量%の、好ましくは0.5〜10質量%の、特に好ましくは1〜8質量%の、特に1〜5質量%の膨張黒鉛を含んでいる。この量は成形用組成物全体に対する値である。]
[0023] 膨張黒鉛は公知である。これは、通常黒鉛に揮発性溶媒を含侵させ、この含浸黒鉛を膨張させて製造される。その際、層が相互に分離され、好ましくは非常に薄い黒鉛層が与えられる。黒鉛層の厚みは、理想的には一原子層である。実用的な用途では、厚みが1〜5000原子層である膨張黒鉛粒子であり、好ましくは1〜500原子層、特に好ましくは1〜50原子層、具体的には1〜30原子層である膨張黒鉛粒子である。典型的で好適な層厚は1〜1000nmの範囲であり、好ましくは1〜100nm、特に好ましくは1〜20nm、具体的には1〜15nmの範囲である。]
[0024] 本発明において好ましく用いられるこれらの膨張黒鉛粒子の表面積は、300〜2600m2/gであることが好ましい。600〜2000m2/gの表面積が好ましい。]
[0025] 膨張黒鉛粒子とその製造は公知であり、例えばUS2006/0241237やUS2007/0092432に記載されている。WO2007/136559には、膨張黒鉛からなる導電性塗膜が記載されている。膨張黒鉛板状ナノ粒子も記載されており、この粒子は、ポリマーに導入されるとその導電性を上げることができるといわれている。この明細書によると、膨張黒鉛粒子は、通常ガラス繊維の表面被覆に使用され、この後ではガラス繊維が静電塗装により着色可能となる。US2006/0241237は、特に非ガスの雰囲気下において膨張含浸黒鉛を膨張させる装置に関する。ここに記載の板状微粒子の径は、また本発明でも使用可能な径は、300μm未満であり、厚みは、約0.1μm未満、好ましくは20nm未満、特に15nm未満である。この黒鉛粒子は、ポリマー成形用組成物中に、最大で50体積%まで添加可能といわれている。エポキシ樹脂の場合は、約8体積%未満の量が好適と考えられる。この膨張黒鉛粒子はラジオ波処理で生産される。]
[0026] US2007/0092432に記載の膨張黒鉛粒子の表面積は、300m2/g〜2600m2/gの範囲である。本発明は、これらの膨張黒鉛粒子を用いることができる。黒鉛を完全に剥離させ個々の黒鉛層を露出させることは今まで不可能であったといわれる。また、導電性を上げるために熱可塑性成形用組成物に充填材を混合してもよいといわれる。]
[0027] 本発明において用いられる膨張黒鉛粒子は、いずれか所望の適当な方法で、例えば上記明細書に記載の方法で生産することができる。]
[0028] 熱可塑性成形用組成物に使用する膨張黒鉛粒子については、M. Zhang et al., Journal of Applied Polymer Science, Vol. 108, p. 1482 to 1489 (2008)を参照されたい。有用な膨張黒鉛粒子や剥離黒鉛粒子については、上記の文献とそこの引用文献を参照されたい。]
[0029] 本発明において有用な他の膨張黒鉛粒子が、xGnPという商品名で、XGサイエンス社(5020 North Wind Drive, Suite 212, East Lansing, Ml 48823)から入手可能である。この板状微粒子は、多くのグラフェン層からなり、その合計の厚みは約5nmであり、あるいは1nm〜15nmの範囲である。粒子径は、1μm未満から100μm超にわたる。密度は約2.0 g/cm3である。電気抵抗は約50×10−6Ωcmである。熱伝導率は約3000W/m・Kである。]
[0030] Nature, Vol. 442, July 20, 2006, p, 282 to 286には、本発明において有用な他のグラフェン類やグラフェン系複合材料が記載されている。ここの記載のグラフェン層は黒鉛酸化物から得られたものである。この場合、黒鉛酸化物はハマース法で製造される。生成物を次いでDMF出処理し、最後にフェニルイソシアネートで処理する。これは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンなどのポリマーやスチレンブタジエンゴムに導入されている。本発明では、膨張黒鉛粒子に代えて膨張黒鉛酸化物を用いることもできる。これらはいずれも、「膨張黒鉛」に含まれる。]
[0031] 本発明において用いることのできる膨張黒鉛酸化物を、ロッド・ルフ(North Western University in Chicago, USA.)により記載されるようにして生産することもできる。このためには、黒鉛をまず酸で酸化し、得られる黒鉛酸化物を水中で剥離させて、グラフェン酸化物フレークを得る。このグラフェン酸化物フレークを、本発明で使用することもできる。Nanomaterials News, Vol. 3, issue 12, August 21, 2007, p.2, Pira International Ltd. 2007 (Intertech Pira. Com.)を参照されたい。同じ版の6頁に他の好適なグラフェンが記載されている。]
[0032] 他の好適なグラフェンについては、B. Trauzettel、Physik Journal 6(2007)、No.7、p.39〜44を参照されたい。]
[0033] 電解めっき法で金属化される本発明の熱可塑性成形用組成物では、極少量の膨張黒鉛でも金属化を確実に進行させることが明らかとなった。この点で、この成形用組成物は、炭素ナノチューブを含む成形用組成物より優れている。比較的少量の黒鉛の使用でも、熱可塑性成形用物組成物の機械的性質や加工特性が保持される。膨張黒鉛は炭素ナノチューブよりコスト的に大きく優れており、このために比較的大きな成形物を低コストで製造することができる。]
[0034] この膨張黒鉛粒子を、以下では黒鉛粒子と称すが、本明細書および請求項を通じてこれらの黒鉛粒子は膨張黒鉛粒子である。]
[0035] 本発明の方法、また本発明の他の製品や方法、用途を以下に述べる。]
[0036] 本発明の方法に必須の特徴は、基板の金属化される基板表面が膨張黒鉛を含んでいることである。これは、膨張黒鉛が基板自体に含まれている、したがってまたその表面に含まれているか、膨張黒鉛がポリマー塗膜またはラッカーの形で、膨張黒鉛を含まない基板上に塗布されるかを意味する。基板表面中あるいは表面上に存在する膨張黒鉛は、電気伝導性をもたらし、これは続く化学めっき及び/又は電解めっき法による金属析出に不可欠である。例えば、膨張黒鉛の存在だけでなく、他の導電性成分、例えば金属粉やカーボンブラック粒子を存在させて、基板表面中または表面上での電気伝導度を上げることもできるが、これらの存在は本発明に必須ではない。]
[0037] したがって、本発明の方法の好ましい実施形態においては、化学めっき及び/又は電解めっき法により金属析出を行うプロセスで用いられる基板が、以下に詳述する成形用組成物から製造される。本発明の方法の他の好ましい実施形態においては、化学めっき及び/又は電解めっき法により金属析出を行うプロセスで用いられる基板が、以下に詳述する分散液で提供されて、少なくとも部分的に乾燥及び/又は少なくとも部分的に硬化されたものである。]
[0038] [成形用組成物]
ある好ましい実施形態においては、本発明の方法で使用できる基板が、成分A、B、C及びDの総質量(100質量%)に対して、
a 20〜99質量%の、好ましくは55〜95質量%、特に好ましくは60〜92質量%の成分Aと、
b 1〜30質量%の、好ましくは5〜25質量%、特に好ましくは8〜20質量%の成分Bと、
c 0〜10質量%の、好ましくは0〜8質量%、特に好ましくは0〜5質量%の成分Cと、
d 0〜40質量%の、好ましくは0〜30質量%、特に好ましくは0〜10質量%の成分Dとを含む熱可塑性成形用組成物からなる。]
[0039] これらの成形用組成物の個々の成分について以下に述べる。]
[0040] [成分A]
原理的には、いかなる熱可塑性ポリマーも成分Aとして好適である。一般に、これらの熱可塑性ポリマーの破断引張歪は、10〜1000%の範囲、好ましくは20〜700の範囲、特に好ましくは50〜500の範囲である(本出願中に記載の破断引張歪や引張強度のこれらや他の値は、1BA型試験片を用いるISO527−2:1996の引張り試験によるものである(基準の「小試験片」の添付書類A))。]
[0041] 好適な成分Aの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン(耐衝撃性または非衝撃変性)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート)、MABS(メタクリレート単位を含む透明ABS)、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー(例えば、BASF社のスチロフレックス(登録商標)またはスチロルックス(登録商標)、CPC社のK樹脂)、ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエステル類、脂肪族−芳香族コポリエステル類(例えば、BASF社のエコフレックス(登録商標))、ポリカーボネート(例えば、バイエル社のマクロロン(登録商標))、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ(エーテル)スルホン類、およびポリフェニレンオキシド(PPO)があげられる。
エポキシ樹脂も使用できる。]
[0042] 成分Aとして、衝撃変性ビニル芳香族コポリマーやスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン類、脂肪族−芳香族コポリエステル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタンからなる群から選ばれる一種以上のポリマーを使用することが好ましい。ポリアミド類もまた、好ましい成分Aである。]
[0043] [衝撃変性ビニル芳香族コポリマー]
好ましい衝撃変性ビニル芳香族コポリマーは、ビニル芳香族モノマーとシアン化ビニル(SAN)からなる衝撃変性コポリマーである。好ましく用いられる衝撃変性SANとしては、ASAポリマー及び/又はABSポリマー、または(メタ)クリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー(「MABS」、透明ABS)、またはSANやABS、ASA、MABSと他の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、PVC、またはポリオレフィンとのブレンドがあげられる。]
[0044] 成分Aとして用いることのできるASAやABSの破断引張歪値は、一般的には10〜300%であり、好ましくは15〜250%、特に好ましくは20〜200%である。]
[0045] ASAポリマーは、一般的には、特にスチレン及び/又はα−メチルスチレンとアクリロニトリルからなるコポリマーマトリックス中に、あるポリアルキルアクリレートゴム上にビニル芳香族化合物、特にスチレンと、シアン化ビニル、特にアクリロニトリルとがグラフトされたゴム状弾性グラフトコポリマーを有する衝撃変性SANポリマーである。]
[0046] この熱可塑性成形用組成物がASAポリマーを含んでいる、ある好ましい実施形態においては、成分Aのこのゴム状弾性グラフトコポリマーARは、
a1 1〜99質量%の、好ましくは55〜80質量%、特に55〜65質量%の
ガラス転移温度が0℃未満である粒子状グラフトベースA1と、
a2 1〜99質量%の、好ましくは20〜45質量%、特に35〜45質量%の以下のモノマーからなるグラフトA2とからなる。A2に対して、
a21 成分A21としての、40〜100質量%の、好ましくは65〜85質量%のスチレン単位、置換スチレン単位、または(メタ)クリレート単位、またはこれらの混合物、特にスチレン及び/又はα−メチルスチレン単位と、
a22 成分A22としての、最大60質量%、好ましくは15〜35質量%のアクリロニトリル単位またはメタクリロニトリル単位、特にアクリロニトリル単位
からなる。]
[0047] このグラフトA2は、少なくとも一種のグラフトシェルからなる。]
[0048] この成分A1は、以下のモノマーからなる。]
[0049] a11 成分A11としての、80〜99.99質量%の、好ましくは95〜99.9質量%の少なくとも一種のC1−C8−アルキルアクリレート、好ましくはn−ブチルアクリレート及び/又はエチルヘキシルアクリレート、
a12 成分A12としての、0.01〜20質量%の、好ましくは0.1〜5.0質量%の少なくとも一種の多官能性の架橋性モノマー、好ましくはジアリルフタレート及び/又はDCPA。]
[0050] 本発明のある実施形態によれば、成分ARは、一頂性の分布をしており、その平均粒度は50〜1000nmである。]
[0051] もう一つの実施形態においては、成分ARの粒度分布が二頂性であり、成分ARの総質量に対して、60〜90質量%が50〜200nmの平均粒度を有し、10〜40質量%が50〜400nmの平均粒度を有している。]
[0052] この平均粒度と粒度分布は累積重量分布より求めた値である。この平均粒度は、いずれの場合も粒度の重量平均である。これらの値は、分析用超遠心分離機を用いる、W. Scholtan and H. Lange、Kolloid−Z. und Z.−Polymere 250 (1972)、pp. 782〜796に記載の方法により決定される。この超遠心分離による測定で試料の粒子径の累積重量分布が求まる。これから、粒子の何質量%が特定の大きさ以下の径を持つかが計算できる。平均粒子径(累積重量分布のd50ともいう)は、50質量%の粒子がd50未満の直径を持つ粒子径と定義される。また、50質量%の粒子がd50より大きな径をもつ。d50値(平均粒子径)に加えて、ゴム粒子の粒度分布の幅を表すために、累積重量分布により得られるd10値とd90値が用いられる。累積重量分布のd10とd90は、d50と同様に定義され、その差は基準がそれぞれ粒子の10質量%と90質量%であることである。以下の計算値、
(d90−d10)/d50=Q
は、粒度分布の幅の尺度である。ゴム状弾性グラフトコポリマーARのQ値は、好ましくは0.5未満であり、特に0.35未満である。]
[0053] このアクリレートゴムA1は、好ましくは一種以上のC1−8−アルキルアクリレートからなるアルキルアクリレートゴムであり、好ましくはC4−8−アルキルアクリレート、好ましくは少なくともある程度アクリル酸ブチル、ヘキシル、オクチル、または2−エチルヘキシルを、特アクリル酸n−ブチルと2−エチルヘキシルとを用いるC4−8−アルキルアクリレートである。これらのアルキルアクリレートゴム中に存在しうるコモノマーは、最大30質量%の硬質ポリマーを形成するモノマー、例えば酢酸ビニル、(メタ)クリロニトリル、スチレン、置換スチレン、メタクリル酸メチル、ビニルエーテルである。]
[0054] このアクリレートゴムは、0.01〜20質量%の、好ましくは0.1〜5質量%の架橋性多官能性モノマー(架橋性モノマー)を含んでいてもよい。これらの例としては、共重合可能な2個以上の二重結合を有するモノマー好ましくは1,3−共役型でないモノマーがあげられる。]
[0055] 好適な架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンや、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、ジエチルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデセニルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、トリアリルホスフェート、アリルアクリレート、アリルメタクリレートがあげられる。ジシクロペンタジエニルアクリレート(DCPA)は、特に好適な架橋性モノマーであることがわかっている(DE−C1260135を参照)。]
[0056] 成分ARはグラフトコポリマーである。このグラフトコポリマーARの平均粒度d50は、50〜1000nmであり、好ましくは50〜800nm、特に好ましくは50〜600nmである。用いるグラフトベースA1が50〜800nmの粒度、好ましくは50〜500nm、特に好ましくは50〜250nmの粒度を持つ場合に、これらの粒度が得られる。]
[0057] このグラフトコポリマーARは、一般的には一個以上のステージを有する。つまりこれは、一つのコアと一つ以上のシェルトからなるポリマーである。このポリマーは、第一ステージ(グラフトコア)A1とこの第一ステージ上にグラフトされ、グラフトステージまたはグラフトシェルとよばれる一つ、または好ましくは二つ以上のステージA2(グラフト)とからなる。]
[0058] ゴム粒子に一個以上のグラフトシェルを結合させるためには、単純なグラフトを用いても、複数の逐次グラフトを用いてもよく、また、これらのグラフトシェルがそれぞれ異なる組成を持っていてもよい。グラフトモノマーに加えて、多官能性の架橋性モノマーまたは反応基を有するモノマーをグラフトプロセスに添加してもよい(例えば、EP−A230282やDE−B3601419、EP−A269861を参照)。]
[0059] ある好ましい実施形態においては、成分ARが、2段のステージで形成されたグラフトコポリマーからなり、このグラフトステージは、一般的には樹脂形成モノマーから作られ、そのガラス転移温度Tgは30℃より高く、好ましくは50℃より高い。特に、2段以上のステージをもつ構造が、熱可塑性マトリックスに(部分的に)適合するゴム粒子ARを製造するのに役立つ。]
[0060] グラフトコポリマーARの製造方法の一例は、以下に列挙するモノマーA2の少なくとも一種を、少なくとも一種の上述のグラフトベースまたはグラフトコア剤A1上にグラフトさせることである。]
[0061] 本発明のある実施形態においては、このグラフトベースA1が、15〜99質量%のアクリレートゴムと、0.1〜5質量%の架橋剤と、0〜49.9質量%の上述の他のモノマーまたはゴムの一種とからなる。]
[0062] グラフトA2の形成に好適なモノマーとしては、スチレンやα−メチルスチレン、(メタ)クリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられ、特にアクリロニトリルが好ましい。]
[0063] 本発明のある実施形態においては、ガラス転移温度が0℃未満である架橋アクリレートポリマーがグラフトベースA1となる。これらの架橋アクリレートポリマーのガラス転移温度は、好ましくは−20℃未満であり、特に−30℃未満である。]
[0064] ある好ましい実施形態においては、グラフトA2は、少なくとも一種のグラフトシェルからなり、これらのうち最外層のグラフトシェルのガラス転移温度は30℃より高く、グラフトA2のモノマーから形成されるポリマーのガラス転移温度は80℃より高い。]
[0065] グラフトコポリマーARの好適な製造方法は、乳化重合、溶液重合、バルク重合または懸濁重合である。グラフトコポリマーARは、成分A1のラテックスの存在下で、20℃〜90℃の温度で、水溶性または油溶性の開始剤、例えばペルオキソ硫酸塩または過酸化ベンゾイルを用いて、あるいはレドックス系開始剤を用いて、フリーラジカル乳化重合で生産することが好ましい。レドックス系開始剤は、20℃未満の温度での重合にも好適である。]
[0066] 好適な乳化重合プロセスが、DE−A2826925や3149358、DE−C 1260135に記載されている。]
[0067] このグラフトシェルは、DE−A3227555や3149357、3149.358、3414118に記載の乳化重合プロセスで形成されることが好ましい。DE−C1260135やDE−A2826925、Applied Polymer Science, volume 9 (1965), p. 2929に記載のプロセスにより、ぴったりと50〜1000nmの設定粒度となる。粒度の異なるポリマーの使用も、例えばDE−A2826925やUS−A5196480で知られている。]
[0068] DE−C1260135に記載のプロセスでは、まず20〜100℃の温度で、好ましくは50〜80℃の温度で、水系エマルジョン中で、本発明のある実施形態において用いられるアクリレートと多官能性架橋性モノマーと、適当ならさらに他のコモノマーとを既知の方法で重合することにより始まる。通常の乳化剤を、例えばアルカリ金属アルキル、またはアルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、脂肪アルコールスルホネート、炭素原子数が10〜30の高級脂肪酸の塩、樹脂石鹸を用いることができる。アルキルスルホネートまたは炭素原子数が10〜18の脂肪酸のナトリウム塩の使用が好ましい。ある実施形態においては、乳化剤の使用量が、グラフトベースA1の製造に用いられるモノマーの総量に対して、0.5〜5質量%であり、特に1〜2質量%である。通常、運転は、水:モノマー比が重量比で2:1〜0.7:1の比率で行われる。特に、用いる重合開始剤は、汎用の過硫酸塩、例えば過硫酸カリウムである。しかし、レドックス系を用いることもできる。一般的な開始剤の使用量は、グラフトベースA1の製造に用いられるモノマーの総量に対して0.1〜1質量%である。重合中に使用可能な他の重合助剤としては、炭酸水素ナトリウムやピロリン酸ナトリウムなどの、好ましいpH6〜9に設定するための通常の緩衝剤物質や、0〜3質量%の、メルカプタンやテルピノールまたは二量体α−メチルスチレンなどの分子量調整剤があげられる。]
[0069] 精密な重合条件、特に乳化剤の性質や供給速度や量は、上記の範囲内で、得られる架橋アクリレートポリマーのラテックスのd50が約50〜800nmの範囲、好ましくは50〜500nm、特に好ましくは80〜250nmの範囲となるように個別に決められる。ラテックスの粒度分布を狭くするようにすることが好ましい。]
[0070] 本発明のある実施形態においては、グラフトポリマーARを製造するのに、以下の工程で、得られる架橋アクリレートポリマーのラテックスの存在下で、スチレンとアクリロニトリルとからなるモノマー混合物を重合する。また本発明のある実施形態においては、モノマー混合物中のスチレンとアクリロニトリルの重量比が、100:0〜40:60の範囲にある、好ましくは65:35〜85:15の範囲にある必要がある。このグラフトベースである架橋ポリアクリレートポリマー上へのスチレンとアクリロニトリルのグラフト共重合もまた、上記の通常の条件下で水性エマルジョン中で有利に実施される。このグラフト共重合は、グラフトベースA1製造のための乳化重合に用いられる系で行ってもよく、その際、必要なら他の乳化剤や開始剤を添加してもよい。本発明のある実施形態においてグラフトされるスチレンとアクリロニトリルモノマーの混合物を、一挙に反応混合物に添加してもよいし、複数の工程で分割して、あるいは好ましくは重合期間中連続的に添加してもよい。架橋アクリレートポリマーの存在下でのスチレンとアクリロニトリルの混合物のグラフト共重合は、グラフトコポリマーAR中でのグラフトの程度が、成分ARの全重量に対して、1〜99質量%となるようにして、好ましくは20〜45質量%、特に35〜45質量%となるようにして行われる。グラフト共重合中のグラフト収率は100%でないため、グラフト共重合で用いるべきスチレンとアクリロニトリルモノマーの混合物の量は、この望ましいグラフト度に求められる量よりは幾分大きくなる。グラフト共重合中のグラフト収率の制御、また得られるグラフトコポリマーARのグラフト度の制御は、当業界の熟練者が精通する問題である。例えばモノマーの供給速度や調整剤の添加などで行うことができる(Chauvel, Daniel, ACS Polymer Preprints 15 (1974), p. 329参照)。この乳化グラフト共重合では、一般的には、グラフトコポリマーに対して5〜15質量%の遊離したグラフト化されていないスチレン−アクリロニトリルコポリマーが生成する。グラフト共重合で得られる重合生成物中のグラフトコポリマーARの比率は、上記の方法により決まる。]
[0071] 乳化法によるグラフトコポリマーARの製造により、上述の技術的方法の利点に加え、例えば粒子の少なくともある程度での大粒子への凝集による粒度の再現可能な変化が起こる可能性がでてくる。つまり、異なる粒度のポリマーがグラフトコポリマーAR中に存在している可能性がある。]
[0072] 理想的には、グラフトベースと一個以上のグラフトシェルからなる成分ARを、特にその用途に適応させる、特に粒度の点で適応させることができる。]
[0073] これらのグラフトコポリマーARは、一般的には、全グラフトコポリマーに対して1〜99質量%の、好ましくは55〜80質量%、特に好ましくは55〜65質量%のグラフトベースA1と、1〜99質量%の、好ましくは20〜45質量%、特に好ましくは35〜45質量%のグラフトA2を含んでいる。]
[0074] ABSポリマーは、通常、ジエンポリマー、特にポリ−1,3−ブタジエンがコポリマーマトリックス中に、特にスチレン及び/又はα−メチルスチレンとアクリロニトリルからなるコポリマーマトリックス中に存在している衝撃変性SANポリマーと理解されている。]
[0075] ある好ましい実施形態においては、熱可塑性成形用組成物がABSポリマーを含む場合、成分Aのゴム状弾性グラフトコポリマーAR’は、以下のものからなる。]
[0076] a1’ 10〜90質量%の少なくとも一種の、以下のものを重合して得られるガラス転移温度が0℃未満のゴム状弾性グラフトベースA1’、A1’に対して
a11’ 60〜100質量%の、好ましくは70〜100質量%の、少なくとも一種の共役ジエン及び/又はC1−C10−アルキルアクリレート、特にブタジエン、イソプレン、n−ブチルアクリレート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートと、
a12’ 0〜30質量%の、好ましくは0〜25質量%の、少なくとも一種の他のモノエチレン性不飽和モノマー、特にスチレン、α−メチルスチレン、n−ブチルアクリレート、メタクリル酸メチル、またはこれらの混合物、また後者では、特にブタジエン−スチレンコポリマーやn−ブチルアクリレート−スチレンコポリマーと、
a13’ 0〜10質量%の、好ましくは0〜6質量%の、少なくとも一種の架橋性モノマー、好ましくはジビニルベンゼン、ジアリルマレエート、アリル(メタ)クリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、ジカルボン酸のジビニルエステル類(例えば、コハク酸やアジピン酸、エチレングリコールまたはブタン−1,4−ジオールなどの二官能性アルコールのジアリルエーテルやジビニルエーテル類)、
a2’ 10〜60質量%の、好ましくは15〜55質量%の、以下のものよりなるグラフトA2’、A2’に対して、
a21’ 50〜100質量%の、好ましくは55〜90質量%の、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレン及び/又はct−メチルスチレンと、
a22’ 5〜35質量%の、好ましくは10〜30質量%のアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリル、好ましくはアクリロニトリルと、
a23’ 0〜50質量%の、好ましくは0〜30質量%の、少なくとも一種の他のモノエチレン性不飽和モノマー、好ましくはメタクリル酸メチルやn−ブチルアクリレート。]
[0077] 熱可塑性成形用組成物がABSを含む場合のもう一つの好ましい実施形態では、成分AR’は、以下のものからなる、二頂性粒度分布をもつグラフトゴムである。AR’に対して、
a1’’ 40〜90質量%の、好ましくは45〜85質量%の、以下のものを重合して得られるゴム状弾性粒子状のグラフトベースA1’’、A1’’に対して
a11’’ 70〜100質量%の、好ましくは75〜100質量%の、少なくとも一種の共役ジエン、特にブタジエン及び/又はイソプレン、
a12’’ 0〜30質量%の、好ましくは0〜25質量%の、少なくとも一種の他のモノエチレン性不飽和モノマー、特にスチレン、α−メチルスチレン、n−ブチルアクリレート、またはこれらの混合物、
a2’’ 10〜60質量%の、好ましくは15〜55質量%の、以下のものからなるグラフトA2’、A2’’に対して
a21’’ 65〜95質量%の、好ましくは70〜90質量%の少なくとも一種のビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレンと、
a22’’ 5〜35質量%の、好ましくは10〜30質量%のアクリロニトリルと、
a23’’ 0〜30質量%の、好ましくは0〜20質量%の、少なくとも一種の他のモノエチレン性不飽和モノマー、好ましくはメタクリル酸メチルやn−ブチルアクリレート。]
[0078] 熱可塑性成形用組成物が成分AとしてASAポリマーを含む場合のある好ましい実施形態においては、成分Aの硬質マトリックスAMは、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー由来の単位を含む硬質のコポリマーであり、ビニル芳香族モノマー由来の単位の総量に対して0〜100質量%の、好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは60〜100質量%のα−メチルスチレン由来の単位と、0〜100質量%の、好ましくは0〜60質量%、特に好ましくは0〜40質量%の、以下のものからなるスチレン由来の単位、AMに対して、
aM1 成分AM1として40〜100質量%の、好ましくは60〜85質量%のビニル芳香族単位と
aM2 成分AM2として最大60質量%、好ましくは15〜40質量%の、
アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル単位、特にアクリロニトリル単位とを含む硬質のコポリマーである。]
[0079] 熱可塑性成形用組成物が成分としてABSポリマーを含む場合のある好ましい実施形態においては、成分Aの硬質マトリックスAM’が、ビニル芳香族モノマー由来の単位を含む少なくとも一種の硬質のコポリマーであり、ビニル芳香族モノマー由来単位の総量に対して、0〜100質量%の、好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは60〜100質量%のα−メチルスチレン由来単位と0〜100質量%の、好ましくは0〜60質量%、特に好ましくは0〜40質量%の以下のものからなるスチレン由来単位、AM’に対して、
aM1’ 50〜100質量%の、好ましくは55〜90質量%のビニル芳香族モノマーと、
aM2’ 0〜50質量%のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルまたはこれらの混合物と、
aM3’ 0〜50質量%の、少なくとも一種の他のモノエチレン性不飽和モノマー、例えばメタクリル酸メチルや、N−フェニルマレイミドなどのN−アルキル−またはN−アリールマレイミドとを含む硬質のコポリマーである。]
[0080] 熱可塑性成形用組成物が成分AとしてABSを含む場合のもう一つの好ましい実施形態においては、成分AM’は、粘度数VN(濃度が0.5%のジメチルホルムアミド溶液で25℃でDIN53726に準じて測定)が50〜120ml/gである少なくとも一種の硬質のコポリマーであり、ビニル芳香族モノマー由来単位と、ビニル芳香族モノマー由来単位の総量に対して、0〜100質量%の、好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは60〜100質量%のα−メチルスチレン由来単位と、0〜100質量%の、好ましくは0〜60質量%、特に好ましくは0〜40質量%の、以下のものからなるスチレン由来単位、AM’に対して
aM1’’ 69〜81質量%の、好ましくは70〜78質量%のビニル芳香族モノマー類、
aM2’’ 19〜31質量%の、好ましくは22〜30質量%のアクリロニトリル、
aM3’’ 0〜30質量%の、好ましくは0〜28質量%の、少なくとも一種の他のモノエチレン性不飽和モノマー、例えばメタクリル酸メチルまたはN−アルキル−またはN−フェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミドとを含むものである。]
[0081] ある実施形態においては、これらのABSポリマーは、それぞれ、粘度数VNが少なくとも5単位(ml/g)分だけ相互に異なり及び/又はアクリロニトリル含量が5単位(質量%)分だけ相互に異なる成分AM’を含んでいる。最後に、成分AM’や他の例とともに、(α−メチル)スチレンと無水マレイン酸またはマレイミドとのコポリマー、(α−メチル)スチレンとマレイミドとメタクリル酸メチルまたはアクリロニトリルとのコポリマー、または(α−メチル)スチレンとマレイミドとメタクリル酸メチルとアクリロニトリルとのコポリマーが存在していてもよい。]
[0082] これらのABSポリマー中のグラフトポリマーAR’は、乳化重合により得ることが好ましい。これらのグラフトポリマーAR’と成分AM’と、適当なら他の添加材料の混合は、通常混合装置で行われ、実質的に溶融したポリマー混合物を与える。この溶融ポリマー混合物を迅速に冷却することが有利である。]
[0083] さらに、上述のABSポリマーの製造方法やその一般的なまた特定の実施形態が、ドイツ特許出願DE−A19728629に詳細に記載されており、これを参照として組み込むこととする。]
[0084] 上記のABSポリマーは、他の既存の助剤や充填材を含んでいてもよい。これらの物質の例としては、潤滑剤または離型剤や、ワックス、顔料、染料、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、または帯電防止剤があげられる。]
[0085] 発明のある好ましい実施形態においては、硬質マトリックスAMの、またそれぞれ成分AのAM’の粘度数は50〜90であり、好ましくは60〜80である。]
[0086] 成分Aの硬質マトリックスAMとAM’は、好ましくは非晶質ポリマーである。本発明のある実施形態によれば、スチレンとアクリロニトリルのコポリマーとα−メチルスチレンとアクリロニトリルのコポリマーの混合物が、硬質のマトリックスAMとしてまた成分AのAM’として使用される。硬質マトリックのこれらのコポリマー中のアクリロニトリル含量は、硬質マトリックスの総質量に対して0〜60質量%であり、好ましくは15〜40質量%である。硬質マトリックスAM、また成分AのAM’は、成分AR、またAR’を製造するためのグラフト共重合反応の際に生産された遊離の非グラフト化(α−メチル)スチレン−アクリロニトリルコポリマーを含んでいる。グラフトコポリマーAR、またAR’を製造するためのグラフト共重合反応の際に選択された条件により、グラフト共重合反応の修了前に十分な比率の硬質マトリックスができるようにすることができる。しかしながら、一般的には、グラフト共重合反応で得られる生成物を、別途生産された他の硬質マトリックスとブレンドする必要があるであろう。]
[0087] この別途調整した他の硬質マトリックスAM、また成分AのAM’を、従来の方法で得てもよい。例えば、本発明のある実施形態によれば、スチレン及び/又はα−メチルスチレンとアクリロニトリルの共重合反応を、バルク、溶液、懸濁液、または水性エマルジョン中で実施してもよい。成分AMの、またAM’の粘度数は、好ましくは40〜100であり、より好ましくは50〜90、特に60〜80である。この粘度数は、DIN53726に準じて、0.5gの材料を100mlのジメチルホルムアミドに溶解して決定される。]
[0088] 成分AR(また、AR’)とAM(また、AM’)の混合は、いずれかの既知の方法によりいずれか望ましい方法で実施される。例えばこれらの成分を乳化重合で製造する場合は、得られるポリマー分散液を相互に混合し、ポリマーを共に析出させ、そのポリマー混合物を後処理する。しかしながら、これらの成分を、押出、混練または圧延により混合することが好ましく、必要なら、前もって重合反応の際に得られる水分散液または溶液から分離することが好ましい。水分散液中に得られたグラフト共重合生成物を部分的に脱水して、粉体状で硬質マトリックスと混合することが可能であり、その場合はこの混合プロセス中でこのグラフトコポリマーの完全乾燥が起こる。]
[0089] [スチレン系熱可塑性エラストマー]
好ましいスチレン系熱可塑性エラストマー(S−TPE)は、破断引張歪が300%を超える、特に好ましくは500%を超える、特に500〜600%のものである。特に好ましく混合されたS−TPEは、表面のポリスチレンブロックSと、これらの間にある、ランダムなスチレン/ブタジエン(S/B)分布またはスチレン/ブタジエン(S/B)勾配をもつスチレン−ブタジエンコポリマーブロックとを有している、線状のまたは星型のスチレン−ブタジエンブロックコポリマーである(例えば、BASFのスチロフレックス(登録商標)またはスチロルックス(登録商標)、またはCPC社のK樹脂)。]
[0090] 総ブタジエン含量は、好ましくは15〜50質量%の範囲で、特に好ましくは25〜40質量%の範囲であり、総スチレン含量は、このため好ましくは50〜85質量%の範囲であり、特に好ましくは60〜75質量%の範囲である。]
[0091] このスチレン−ブタジエンブロック(S/B)は、好ましくは30〜75質量%のスチレンと25〜70質量%のブタジエンとからなる。特に好ましい(S/B)ブロックでは、ブタジエン含量が35〜70質量%で、スチレン含量が30〜65質量%である。]
[0092] ポリスチレンブロックSの含量は、全ブロックコポリマーに対して、好ましくは5〜40質量%の範囲、特に25〜35質量%の範囲である。コポリマーブロックS/Bの含量は、好ましくは60〜95質量%の範囲であり、特に65〜75質量%の範囲である。]
[0093] 一般式S−(S/B)−Sの線状スチレン−ブタジエンブロックコポリマーと、二つのSブロックの間にある、一個以上のランダムなスチレン/ブタジエン分布を有する(S/B)ランダムブロックが特に好ましい。この種のブロックコポリマーは、例えばWO95/35335またはWO97/40079に記載されているように、高極性の共溶媒中またはカリウム塩が添加されている非極性溶媒中でのアニオン重合により得ることができる。]
[0094] ビニル含量とは、1,2−結合と1,4−シス結合と1,4−トランス結合の総計に対するジエン単位の1,2−結合の相対含量である。スチレン/ブタジエンコポリマーブロック(S/B)中の1,2−ビニル含量は、好ましくは20%未満であり、特に10〜18%の範囲、特に好ましくは12〜16%の範囲である。]
[0095] [ポリオレフィン]
成分Aとして用いられるポリオレフィンの破断引張歪値は、通常10〜600%であり、好ましくは15〜500%、特に好ましくは20〜400%である。]
[0096] 好適な成分Aの例としては、半結晶性ポリオレフィン、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、または4−メチル−1−ペンテンのホモポリマーまたはコポリマー、あるいはエチレンと酢酸ビニル、ビニルアルコール、エチルアクリレート、ブチルアクリレートまたはメタクリレートとのコポリマーがあげられる。好ましく用いられる成分Aとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、またはエチレン−アクリル系のコポリマーがあげられる。特に好ましい成分Aはポリプロピレンである。]
[0097] [ポリカーボネート]
成分Aとして使用可能なポリカーボネートは、通常破断引張歪値が20〜300%のもの、好ましくは30〜250%、特に好ましくは40〜200%のものである。]
[0098] 成分Aとして好適なポリカーボネートのモル質量(ポリスチレン標準試薬を用いるテトラヒドロフラン中でのゲル浸透クロマトグラフィーで求めた重量平均Mw)は、好ましくは10000〜60000g/molの範囲である。例えば、DE−B−1300266の方法での界面重縮合により、あるいはDE−A−1495730の方法でのジフェニルカーボネートとビスフェノールの反応により得られる。好ましいビスフェノールは、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般名はビスフェノールA、以降これを使用する)である。]
[0099] ビスフェノールAに代えて、他の芳香族ジヒドロキシ化合物、特に2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイト、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニル、またはジヒドロキシジフェニルシクロアルカンを使用でき、好ましくはジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、またはジヒドロキシシクロペンタン、特に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、あるいは上記のジヒドロキシ化合物の混合物を使用することもできる。]
[0100] 特に好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールA、またはビスフェノールAと最大80モル%の上記芳香族ジヒドロキシ化合物とからなるものである。]
[0101] 成分Aとして特に好適なポリカーボネートは、レゾルシノールエステル由来単位またはアルキルレゾルシノールエステル由来単位をもつものであり、例えばWO00/61664、WO00/15718、またはWO00/26274に記載のものである。このようなポリカーボネートは、例えばジェネラルエレクトリック社から販売されており、その商標はSollX(登録商標)である。]
[0102] US−A3737409に記載のコポリカーボネートを使用することもでき、ビスフェノールAとジ(3,5−ジメチルジヒドロキシフェニル)スルホン由来のコポリカーボネートは、特に興味があり、高耐熱性である。異なるポリカーボネートの混合物を用いることもできる。]
[0103] ポリカーボネートの平均モル質量(ポリスチレン標準試薬を用いるテトラヒドロフラン中でのゲル浸透クロマトグラフィーで求めた重量平均Mw)は10000〜64000g/molの範囲である。これらは、好ましくは15000〜63000g/molの範囲であり、特に15000〜60000/molである。つまり、このポリカーボネートの、25℃でジクロロメタン中0.5%濃度溶液で測定された相対溶液粘度は、1.1〜1.3の範囲であり、好ましくは1.15〜1.33の範囲である。用いるポリカーボネートの相対溶液粘度の差は、0.05以下であり、特に0.04である。]
[0104] ポリカーボネートの使用形態は、粉砕物またはペレットである。]
[0105] [熱可塑性ポリウレタン]
一般的には、いずれの芳香族または脂肪族熱可塑性ポリウレタンも、成分Aとして好適であり、透明な非晶質脂肪族熱可塑性ポリウレタンが好適である。脂肪族熱可塑性ポリウレタンおよびその製法は、例えばEP−B1567883またはDE−A10321081により当業界の熟練者には公知であり、例えばテクシン(登録商標)やデスモパン(登録商標)という商標でバイエル社より販売されている。]
[0106] 好ましい脂肪族の熱可塑性ポリウレタンのショア硬度Dは、45〜70であり、その破断引張歪値は30〜800%、好ましくは50〜600%、特に好ましくは80〜500%である。]
[0107] 特に好ましい成分Aは、スチレン系熱可塑性エラストマーである。]
[0108] [成分B]
上述のように、この熱可塑性成形用組成物は、成分Bとして膨張黒鉛を含んでいる。]
[0109] この膨張黒鉛は、成分Aの熱可塑性ポリマーを与えるモノマーの重合の前に、重合中に、あるいは重合後に添加できる。重合反応後に黒鉛の添加を行う場合には、押出機または好ましくは混練機中の熱可塑性溶融物の上に添加することが好ましい。混練機または押出機中での混合方法は、特に上記の凝集物の大部分または完全な粉砕であってもよく、これにより膨張黒鉛粒子は熱可塑性マトリックス中に分散する。]
[0110] ある好ましい実施形態においては、この黒鉛粒子が、高濃縮のマスターバッチの形で、好ましくは成分Aとしての熱可塑性樹脂からなる群からから選ばれる熱可塑性樹脂中に供給される。マスターバッチ中の黒鉛粒子の濃度は、通常5〜50質量%の範囲であり、好ましくは8〜30質量%、特に好ましくは12〜22質量%の範囲である。マスターバッチの製造は、例えばUS−A5643502に記載されている。マスターバッチを使用すると、特に凝集物の粉砕が改善される。成形用組成物または成形物を得るための加工のため、成形用組成物または成形物中の黒鉛粒子の長さの分布は、もともと最初に使用したものより短くなる。]
[0111] [成分C]
原理的には、当業界の熟練者には公知で先行技術に開示されているいずれのプラスチック混合物用分散剤も、成分Cとして使用可能である。好ましい分散剤は、界面活性剤または界面活性剤混合物であり、例えば、アニオン性、カチオン性、両性、またはノニオン性界面活性剤である。当業界の熟練者には公知の、市販のオリゴマー型及びポリマー型の分散剤がさらに好ましい。これらは、CD Rompp Chemie Lexikon [ロンプの化学百科事典] − Version 3.0、Stuttgart/New York: Georg Thieme Verlag 2006、キーワード:“Dispergierhilfsmittel” [分散剤]に記載されている。]
[0112] 例としては、ポリカルボン酸、ポリアミン類、長鎖ポリアミンやポリカルボン酸の塩、アミン/アミド官能性のポリエステルやポリアクリレート類、大豆レシチン、ポリリン酸塩、変性カゼインがあげられる。これらの重合型の分散剤は、ブロックコポリマー、櫛型ポリマー、またはランダムコポリマーの形をとることができる。]
[0113] カチオン性及びアニオンの界面活性剤が、例えば“Encyclopedia of Polymer Science and Technology”, J. Wiley & Sons (1966), Volume 5, pp. 816 to 818、また、“Emulsion Polymerisation and Emulsion Polymers”, editors P. Lovell and M. El−Asser, Verlag Wiley & Sons (1997), pp. 224−226に記載されている。]
[0114] アニオン界面活性剤の例としては、鎖長が炭素原子数で8〜30の、好ましくは12〜18の有機のカルボン酸のアルカリ金属塩があげられる。これらは通常、石鹸と呼ばれる。通常用いられる石鹸は、ナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩である。他の使用可能なアニオン性界面活性剤は、炭素原子数が8〜30の、好ましくは12〜18のアルキルスルフェートやアルキル−またはアルキルアリールスルホネートである。特に好適な化合物は、ナトリウムドデシルスルフェートまたはカリウムドデシルスルフェートなどのアルカリ金属ドデシルスルフェートとC12〜C16のパラフィンスルホン酸のアルカリ金属塩である。他の好適な化合物は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとナトリウムジオクチルスルホサクシネートである。]
[0115] 好適なカチオン性界面活性剤の例としては、アミンまたはジアミンの塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩、長鎖で置換されたピリジンやモルホリン、ピペリジンなどの環状アミンの塩である。特に、トリアルキルアミンの4級アンモニウム塩、例えばヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドが用いられる。これらのアルキル基は、好ましくは1〜20個の炭素原子を有する。]
[0116] 特にノニオン性界面活性剤を、成分Cとして用いてもよい。ノニオン性界面活性剤は、例えばCD Rompp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York: Georg Thieme Verlag 1995,キーワード:“Nichtionische Tenside” [ノニオン性界面活性剤]に記載されている。]
[0117] 好適なノニオン性界面活性剤の例として、ポリエチレンオキシド系またはポリプロピレンオキシド系の物質、例えばBASF社のプルオニック(登録商標)やTetronic(登録商標)があげられる。ノニオン性界面活性剤として好適なポリアルキレングリコールのモル質量Mnは、通常、1000〜15000g/molの範囲、好ましくは2000〜13000g/mol、特に好ましくは4000〜11000g/molの範囲にある。好ましいノニオン性界面活性剤はポリエチレングリコールである。]
[0118] これらのポリアルキレングリコールは公知であり、また公知の方法で、例えば2〜8個の反応性水素原子、好ましくは2〜6個の反応性水素原子を有する一種の開始剤分子を添加し、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物触媒、またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドまたはカリウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシド触媒を用いるアニオン重合により、あるいは、または六塩化アンチモン、フッ化ホウ素エーテル化物、または白土などのルイス酸触媒を用いるカチオン重合により製造される。なお、これらの反応での出発原料は、アルキレン基中に2〜4個の炭素原子を有する一種以上のアルキレンオキシドである。]
[0119] 好適なアルキレンオキシドの例としては、テトラヒドロフラン、ブチレン1,2−または2,3−オキシド、スチレンオキシドがあげられ、好ましくはエチレンオキシド及び/又はプロピレン1,2−オキシドがあげられる。これらのアルキレンオキシドは、個別に、交互に、あるいは混合物として使用できる。使用の可能な開始剤分子の例としては、水、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、またはテレフタル酸などの有機ジカルボン酸、場合によってはN−モノ置換、またはN,N−またはN,N’−ジアルキル置換された脂肪族または芳香族ジアミンで、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有するもの、例えばモノ置換またはジアルキル置換されたエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロピレンジアミン、1,3−または1,4−ブチレンジアミン、または1,2−、1,3−、1,4−、1,5−または1,6−ヘキサメチレンジアミンがあげられる。]
[0120] 使用可能な他の開始剤分子としては、エタノールアミンやN−メチル−及びN−エチルエタノールなどのアミンアルカノールアミン類や、ジエタノールアミンやN−メチル−及びN−エチルジエタノールアミンなどのジアルカノールアミン類、トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミン類、アンモニアがあげられる。多価アルコール、特に二価または三価のアルコールまたはより多価のアルコール、例えばエタンジオールや1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ショ糖、ソルビトールの使用が好ましい。]
[0121] 他の好適な成分Cは、既知の方法によりポリアルキレングリコールの末端を、有機酸と、好ましくはアジピン酸またはテレフタル酸と反応させて生産されるエステル化ポリアルキレングリコール類、例えば上記のポリアルキレングリコールのモノ−、ジ−、トリ−またはポリエステル類である。ポリエチレングリコールアジペートまたはポリエチレングリコールテレフタレートが、成分Cとして好ましい。]
[0122] 特に好適なノニオン性界面活性剤は、活性水素原子をもつ化合物をアルコキシル化して得られる物質であり、例えば脂肪アルコール、オコソアルコール、またはアルキルフェノールヘのエチレンオキシドへの縮合物である。エチレンオキシドまたは1、2−プロピレンオキシドをアルコキシル化反応に用いることが好ましい。]
[0123] 他の好ましいノニオン性界面活性剤は、アルコキシル化または非アクコキシル化糖エステルまたは糖エーテルである。]
[0124] 糖エーテルは、脂肪アルコールを糖と反応させて得られるアルキルグリコシドであり、
糖エステルは、糖と脂肪酸の反応で得られる。上記の物質を製造するのに必要な糖や脂肪アルコール、脂肪酸は、当業界の熟練者には公知である。]
[0125] 好適な糖類が、例えば、Beyer/Walter、Lehrbuch der organischen Chemie [有機化学教科書]、S. Hirzel Verlag Stuttgart、19th edition、1981、pp. 392〜425に記載されている。特に好適な糖類は、D−ソルビトール、およびD−ソルビトールを脱水して得られるソルビタンである。]
[0126] 好適な脂肪酸は、飽和のあるいは一重または多重に不飽和の非分岐または分岐状カルボン酸で、炭素原子数が6〜26、好ましくは8〜22、特に好ましくは10〜20のものであり、例えば、CD Rompp Chemie Lexikon − Version 1.0、Stuttgart/New York: Georg Thieme Verlag 1995、keyword “Fettsauren” [脂肪酸]に記載されているものである。好ましい脂肪酸は、ラウリン酸や、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸である。]
[0127] 好適な脂肪アルコールの炭素骨格は、好適な脂肪酸として述べた化合物の骨格と同じである。]
[0128] 糖エーテル、糖エステル、およびこれらの製造方法は、当業界の熟練者には公知である。好ましい糖エーテルは、既知の方法で上記の糖を上記の脂肪アルコールと反応させて製造される。好ましい糖エステルは、既知の方法で上記の糖を上記の脂肪酸と反応させて製造される。好ましい糖エステルは、ソルビタンと脂肪酸のモノ−、ジ−、およびトリエステルであり、特にソルビタンモノラウレートや、ソルビタンジラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン、ソルビタンモノ−およびジオレエートの混合物である。]
[0129] [成分D]
熱可塑性成形用組成物は、成分Dとして、成分Bとは異なる繊維状または粒子状の充填材、またはこれらの混合物を含む。これらは、好ましくは市販製品、例えば炭素繊維やガラス繊維である。炭素ナノチューブも使用可能である。]
[0130] 使用可能なガラス繊維は、Eガラス、Aガラス、またはCガラスからなり、好ましくは糊剤やカップリング剤で処理されたものである。その直径は、通常6〜20μmである。]
[0131] 連続フィラメント(ロービング)または長さが1〜10mm、好ましくは3〜6mmのチョップ状のガラス繊維(ステープル)のいずれを用いてもよい。ガラスビーズや鉱物繊維、ウィスカー、酸化アルミニウム繊維、雲母、粉末石英、珪灰石などの充填材または強化材を添加することもできる。]
[0132] この熱可塑性成形用組成物は、さらにプラスチック混合物中で従来からよく用いられている他の添加材料を含むこともできる。]
[0133] この種の添加材料の例としては、成形物の製造に有利な染料や顔料、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐光剤、耐加水分解剤、耐化学物質剤、熱分解抑制剤、特に潤滑剤があげられる。これらの他の添加材料は生産工程のどの段階で供給してもよいが、添加材料の安定化効果(または他の特異な効果)が早い段階で利用できるように、早い段階で添加することが好ましい。熱安定化剤または酸化抑制剤は、通常元素周期律表の第I族の金属(例えばLi、Na、K、Cu)由来のハロゲン化金属(塩化物、臭化物、ヨウ化物)である。]
[0134] 好適な安定剤は、従来より用いられているヒンダードフェノールや、ビタミンEまたはその類似構造化合物である。HALS安定剤(ヒンダードアミン光安定剤)や、ベンゾフェノン類、レゾルシノール類、サリシレート類、チヌビン(登録商標)RP(CIBA社のUV吸収剤の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール)などのベンゾトリアゾール類、その他の化合物が好適である。これらの量は、通常最大で2質量%(熱可塑性成形用組成物混合物の全体に対して)である。]
[0135] 好適な潤滑剤と離型剤は、ステアリン酸類、ステアリンアルコール、ステアリン酸エステルであり、一般的には12〜30個の炭素原子を有する高級脂肪酸、その誘導体類、および対応する脂肪酸混合物である。これらの添加物の量は、0.05〜1質量%の範囲である。]
[0136] シリコーン油やイソブチレンオリゴマー、または類似物質を添加材料として用いてもよく、その量は通常0.05〜5質量%である。ウルトラマリンブルー、フタロシアニン類、二酸化チタン、硫化カドミウム類、ペリレンテトラカルボン酸誘導体などの顔料や染料、光沢剤を用いることもできる。]
[0137] UV安定剤や潤滑剤、帯電防止剤などの加工助剤や安定剤の通常の使用量は0.01〜5質量%である。]
[0138] [導電性粒子を含む成形用組成物または分散液の成分C]
好適な成分Cは、いずれか所望の導電性材料からなる、またはいろいろな導電性材料の混合物、または導電性および非導電性材料の混合物からなる、いずれか所望の形状を持ついずれかの導電性粒子であり、その平均粒子径は、0.001〜100μmであり、好ましくは0.005〜50μm、特に好ましくは0.01〜10μm(マイクロトラックX100装置によるレーザ回折での測定)である。本発明の目的の「導電性粒子」は、電気抵抗が109オーム未満の粒子である。好適な導電性材料の例としては、導電性金属錯体、導電性有機化合物、またはポリチオフェンやポリピロールなどの伝導性ポリマーがあげられ、好ましくは亜鉛、ニッケル、銅、スズ、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、クロム、ビスマス、銀、金、アルミニウム、チタン、パラジウム、白金、タンタルなどの金属類、これらの合金、またはこれらの金属類の少なくとも一種を含む金属混合物である。適当な合金の例としては、CuZnや、CuSn、CuNi、SnPb、SnBi、SnCo、NiPb、ZnFe、ZnNi、ZnCo、ZnMnがあげられる。特に好ましいのは、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、銀、スズ、亜鉛、およびこれらの混合物である。鉄粉と銅粉が特に好ましい。]
[0139] この金属は、金属に加えて非金属を含んでいてもよい。例えば、金属の表面の少なくとも一部に塗膜を有していてもよい。好適な塗膜は、無機物(例えば、SiO2やリン酸塩類)であっても、有機物であってもよい。この金属は、もちろん他の金属または金属酸化物で被覆されていてもよい。この金属は、また部分酸化された形で存在していてもよい。]
[0140] この導電性粒子は、原理的にはいかなる所望の形状をしていてもよく、使用可能な金属粒子の例としては、針状、板状、または球状の金属粒子があげられ、球状および板状の粒子が好ましい。この種の金属粉は市販製品として存在するか、既知の方法により、具体的には電解析出で、金属塩溶液の化学還元で、例えば水素による酸化物粉末の還元で、あるいは溶融金属の噴霧または、特にガスや水などの冷却剤中での霧化により容易に製造される。]
[0141] 球状粒子の金属粉、特にカルボニル鉄粉末の使用が特に好ましい。]
[0142] ペンタカルボニル鉄の熱分解によるカルボニル鉄粉末の製造が知られており、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Volume A14, page 599に記載されている。例えば、ペンタカルボニル鉄は、好ましくは垂直方向に置かれた加熱分解装置中で、例えば加熱テープ、加熱ワイヤ、あるいは加熱ジャケットにより覆われ、ここを熱流体が流れる、石英ガラスまたはV2Aスチールなどの耐熱材料からなるチューブを含む加熱分解容器中で、高温で分解できる。]
[0143] 析出後のカルボニル鉄粉末の平均粒子径は、プロセスのパラメーターと分解反応の運転により広い範囲で制御可能であり、通常0.01〜100μmであり、好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは1〜10μmである。]
[0144] 2種の異なる金属で成分Cを作る場合は、2種の金属の混合物で行われる。この2種の金属類が、アルミニウム、鉄、銅、銀、亜鉛、およびスズからなる群から選ばれることが特に好ましい。]
[0145] しかしながら、成分Cは、第一の金属と合金の形の第二の金属(第一の金属との合金または一種以上の他の金属との合金)とを含んでいてもよいし、二種の異なる合金を含んでいてもよい。これらの二つの例においては、金属成分はいずれの場合も相互に異なっており、したがって、金属粒子の形状は相互に独立して同一であっても異なっていてもよい。]
[0146] 金属の選択と共に、金属粒子の形状が、塗布工程後の本発明の分散液の性質に影響を及ぼす。形状に関しては、当業界の熟練者には公知のいろいろな選択肢がある。例えば、金属粒子の形状は、針状であっても円柱状、板状、または球状であってもよい。これらの粒子形状は理想的な形状であり、実際の形状は、例えば製造工程の結果として、多かれ少なかれこれらから変動している。したがって、本発明の目的においては、液滴状粒子は、理想的な球状形状からの現実に起こりうる変動の一つである。]
[0147] いろいろな粒子形状の金属が市販されている。]
[0148] 金属成分の金属粒子の形状が異なる場合、第一の成分が球状で、第二の成分が板状または針状であることが好ましい。]
[0149] 異なる粒子形状の場合は、アルミニウムや鉄、銅、銀、亜鉛、スズなどの金属が好ましい。]
[0150] ここでは、成分Dは成分Cとして記載され、成分Eは成分Dとして記載される。]
[0151] [金属化可能な基板または成形物の製造方法]
成分AとBと、場合によれば成分CとDと、また成分Eとからなるこの熱可塑性成形用組成物は、当業界の熟練者には公知の方法で、例えば用いるポリマーAにより変わる温度で、通常150℃〜300℃の範囲で、特に200℃〜280℃の範囲で、当業界の熟練者には公知の装置を用いて、溶融状態で成分を混合することで製造される。各ポリマーは、純粋状態で混合装置に導入してもよい。しかしながら、複数の成分、例えばAとBをまたはAとCをまず混合し、次いで他の成分A、B、及び/又はCと、または他成分、例えばDと混合してもよい。ある実施形態においては、例えば成分A中に成分B、C、またはD、またはEが入った濃縮物をまず生産し(添加物マスターバッチと呼ばれる)、次いで所望量の他の成分と混合する。この熱可塑性成形用組成物を、当業界の熟練者には公知の方法でペレット化し、例えば、後の工程で押出成形、射出成形、カレンダ加工、または圧縮成形して金属化可能な成形物(即ち、基板)、例えば箔やシートとし、または複合積層箔または複合積層シートとすることもできる。しかしながら、混合操作の直後に、または混合操作(即ち、同時溶融混合と好ましくはスクリュー押出機による押出成形または射出成形)と共に、これを加工して、特に押出成形または射出成形して金属化可能な成形物、例えば箔やシートとしてもよい。]
[0152] 押出成形による方法の場合のある好ましい実施形態においては、このスクリュー押出機が、少なくとも一個の分配混合スクリュー部を持つ単軸押出機として設計される。]
[0153] この方法の他の好ましい実施形態においては、スクリュー押出機が、少なくとも一個の分配混合スクリュー部を持つ二軸押出機として設計される。]
[0154] 金属化可能な成形物の押出加工は、当業界の熟練者には公知で先行技術に記載の方法で、例えばアダプター共押出またはダイ共押出での平坦フィルム押出により、当業界の熟練者には公知のまたは先行技術に記載の装置を用いて行うことができる。]
[0155] 金属化可能な成形物の射出成形、カレンダ加工、または圧縮成形のプロセスは、同様に当業界の熟練者には公知で、先行技術に記載がある。]
[0156] 箔またはシート状の金属化可能な成形物の全体の厚みは、通常10μm〜5mmであり、好ましくは10μm〜3mm、特に好ましくは20μm〜1.5mm、特に100μm〜400μmである。]
[0157] この金属化可能な成形物は、さらにプラスチック加工技術では既知の成形プロセスにかけることができる。]
[0158] [複合積層シートまたは複合積層箔]
箔またはシート状の本発明の金属化可能な成形物は、加工して、例えば金属化可能な複合積層シートまたは金属化可能な複合積層箔とすることができる。]
[0159] 箔またはシート状の金属化可能な成形物は、特に、外層以外に少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる基板層(1)を持つ多層複合積層シートまたは多層複合積層箔の外層(3)として好適である。他の実施形態においては、この複合積層シートまたは複合積層箔が、外層(3)と基板層(1)との間に、他の層(2)、例えば着色層、接着促進剤層、または中間層を持つことができる。]
[0160] この基板層(1)は、原理的にはいかなる熱可塑性樹脂からなっていてもよい。基板層(1)は、好ましくは熱可塑性成形用組成物について述べた以下の材料(衝撃変性ビニル芳香族コポリマー、スチレン系の熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン類、ポリカーボネート類、熱可塑性ポリウレタン類、またはこれらの混合物)から生産され、特に好ましくは、ASA、ABS、SAN、ポリプロピレン、およびポリカーボネート、またはこれらの混合物から生産される。]
[0161] 層(2)は、層(1)と層(3)とは異なる。例えばポリマー組成及び/又は添加物含量、具体的には着色剤または特別効果顔料の含量において異なる。例えば、層(2)は、好ましくは当業界の熟練者には既知の以下の材料(染料、着色顔料、または雲母やアルミニウムフレークなどの特別効果顔料)を含む発色層であってもよい。しかしながら、層(2)は、複合積層シートまたは複合積層箔の機械的安定性を改善するのにも役立ち、あるいは層(1)と(3)の間の接着にも役立つ。]
[0162] 本発明の一つの実施形態は、上記の基板層(1)と、外層(3)と、これらの間に位置する、脂肪族の熱可塑性ポリウレタン、衝撃変性ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート、またはスチレン(コ)ポリマー(例えばSAN、衝撃変性されたものでもよい、例えばASAまたはABS)、またはこれらのポリマーの混合物からなる中間層(2)とからなる複合積層シートまたは複合積層箔を提供する。]
[0163] 脂肪族の熱可塑性ポリウレタンが中間層(2)の材料として使用される場合は、層(3)に対して述べた脂肪族の熱可塑性ポリウレタンを用いることができる。]
[0164] ポリカーボネートを中間層(2)として用いる場合は、層(3)に対して述べたポリカーボネートを用いることができる。]
[0165] 衝撃変性PMMA(耐衝撃PMMAまたはHIPMMA)は、適当な添加物により耐衝撃性としたポリメタクリル酸メチルである。好適な衝撃変性PMMAの例は、M. Stickler, T. Rhein、ウルマン工業化学百科事典(Ullmann’s encyclopedia of industrial chemistry) Vol. A21, pages 473−486,VCH Publishers Weinheim, 1992, and H. Domininghaus, Die Kunststoffe und ihre Eigenschaften [プラスチックとその性質], VDI−Verlag Dusseldorf, 1992.に記載されている。]
[0166] 上記の複合積層シートまたは複合積層箔の層厚は、通常15〜5000μmであり、好ましくは30〜3000μm、特に好ましくは50〜2000μmである。]
[0167] 本発明のある好ましい実施形態においては、この複合積層シートまたは複合積層箔が、以下の層厚を持つ[基板層(1):50μm〜1.5mm;外層(3):10〜500μm]基板層(1)と外層(3)からなる。]
[0168] 本発明のもう一つの好ましい実施形態においては、複合積層シートまたは複合積層箔が、基板層(1)と中間層(2)と外層(3)とからなる。基板層(1)と中間層(2)と外層(3)とからなる複合積層シートまたは複合積層箔は、好ましくは以下の層厚をもつ。基板層(1):50μm〜1.5mm;中間層(2):50〜500μm;外層(3):10〜500μm。]
[0169] 本発明の複合積層シートまたは複合積層箔は、上記の層に加えて、外層(3)とは反対側に面する基板層(1)の面上に他の層を、好ましくは複合積層シートあるいは以下に述べる裏打ち層をもつ複合積層箔の接着を改善するための接着促進剤層を持っていてもよい。この種の接着促進剤層は、好ましくはポリオレフィンに相溶性を示す材料、例えばSEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、例えばクラトン(登録商標)という商標で市販)から作られる。この種の接着促進剤層が存在する場合は、その厚みは、好ましくは10〜300μmである。]
[0170] この複合積層シートまたは複合積層箔は、既知で先行技術に記載の方法で生産できる(例えばWO04/00935)、例えばアダプタ押出または共押出法または相互ラミネーション法または層間の相互積層法で生産できる。共押出方法では、個々の層を形成する成分を押出機中で流動可能とし、特定の装置を用いて、上述の層配列で複合積層シートまたは複合積層箔を与えるように相互に接触させる。例えば、これらの成分を、スロットダイまたは共押出ダイから共押し出しすることができる。EP−A2−0225500には、このプロセスが説明されている。]
[0171] Proceedings of the extrusion technology conference “Coextrusion von Folien”, October 8 and 9, 1996, VDI−Verlag Dusseldorf, 特に、ネッツ氏の論文に記載のように、アダプタ共押出法により製造することもできる。共押出を使用する場合は、通常この経済的なプロセスが用いられる。]
[0172] これらの複合積層シートや複合積層箔を、加熱型のロール間隙中で箔またはシートを相互ラミネーションまたは相互積層して生産してもよい。この場合、箔またはシートをまず別々に生産し、これらが上記の層に相当することとなる。既知のプロセスをこの目的に使用することができる。箔またはシートを適当に相互に積層させて所望の層配列とし、これらを、例えば加熱型のロール間の間隙に通して熱と圧力に暴露して結合させて、複合積層シートまたは複合積層箔を得る。]
[0173] 特にアダプタ共押出プロセスでは、個々の成分の流動特性のバランスをとることが、複合積層シートまたは複合積層箔中に均一な層を形成するのに有利である。]
[0174] [他の成形プロセスで得られる成形物]
金属化可能な箔またはシートまたは金属化可能な複合積層シートまたは金属化可能な複合積層箔は、他の成形物の製造に使用できる。これらのプロセスは、いずれか所望の成形物を、好ましくはシート状の成形物、特に表面積の大きなシート状成形物を与える。これらの箔またはシートおよび複合積層シートまたは複合積層箔は、非常に良好な靭性と個々の層と他の層との間の接着性と寸法安定性に重点が置かれ、表面の剥離によるダメージを最小限の抑えることが可能な他の成形物の製造に特に好ましく用いられる。他の成形プロセスで得ることのできる特に好ましい成形物は、単一層の箔、または複合積層シート、または複合積層箔と射出成形、発泡成形、塗布、または圧縮成形法により材料の裏面に塗布されたプラスチックからなる裏打ち層をもつものである。]
[0175] 既知のプロセス、例えばWO04/00935に記載のプロセスが、金属化可能な箔またはシートから、あるいは金属化可能な複合積層シートまたは複合積層箔からこれらの成形物を製造するのに使用できる。(複合積層シートまたは複合積層箔をさらに加工する方法を以下に述べるが、これらのプロセスは他の箔またはシートの加工にも有用である)。なんら他の加工段階がなくても、射出成形、発泡成形、塗布または圧縮成形プロセスで、材料を複合積層シートまたは複合積層箔の裏面に塗布することができる。特に、上記の複合積層シートまたは複合積層箔を利用すると、前もって熱成形することなく、やや三次元的な部品の製造が可能となる。しかしながら、これらの複合積層シートまたは複合積層箔を、前もって熱成形プロセスにかけてもよい。]
[0176] 例えば、裏打ち層と中間層と外層の3層構造または裏打ち層と外層の二層構造からなる複合積層シートまたは複合積層箔は、熱成形により比較的複雑な部品に加工することができる。雄の金型または雌の金型のいずれを用いてもよい。好適なプロセスは当業界の熟練者には公知である。この熱成形プロセスは、複合積層シートまたは複合積層箔を配向させる。高い配向比率でも、例えば最大1:5でも、複合積層シートまたは複合積層箔の表面品質と金属化効率は低下しないため、熱成形プロセスで可能な配向にはほとんど制限がない。この熱成形プロセスの後、複合積層シートまたは複合積層箔は、他の成形工程に、例えば形状カットにかけることができる。]
[0177] 他の金属化可能な成形物は、適当なら上記の熱成形プロセスの後で、複合積層シートまたは複合積層箔の裏面に射出成形、発泡成形、塗布、または圧縮成形プロセスにより材料を取り付けることで製造できる。これらのプロセスは当業界の熟練者には既知のであり、例えばDE−A110055190またはDE−A119939111に記載されている。]
[0178] これらの射出成形、圧縮成形または製膜工程で塗布されるプラスチック材料は、好ましくはASAポリマーまたはABSポリマー、SANポリマー、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリエーテルスルフォン類、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート類、ポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)系の熱可塑性成形用組成物や、ASAポリマーまたはABSポリマーとポリカーボネートポリブチレンテレフタレートトからなるブレンド、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートトからなるブレンドであり、もしPP及び/又はPEが使用される場合は、明らかに、基板層に前もって接着促進剤層を形成することが可能となる。特に好適なプラスチック材料は、非晶質の熱可塑性樹脂とこれらのブレンドである。射出成形プロセスでの材料裏面への取り付けに好ましく使用されるプラスチック材料は、ABSポリマーまたはSANポリマーである。もう一つの好ましい実施形態においては、当業界の熟練者には既知の熱硬化性成形用組成物が、発泡成形または圧縮成形プロセスにより材料の裏面へ取り付けられる。ある好ましい実施形態においては、これらがガラス繊維強化材料であり、好適な例が、特にDE−A110055190に記載されている。発泡成形プロセスによる材料の裏面への取り付けのためには、ポリウレタンフォームの、例えばDE−A119939111に記載のものの使用が好ましい。]
[0179] ある好ましい製造工程においては、金属化可能な複合積層シートまたは複合積層箔が熱成形され、次いで金型内塗装用金型に置かれ、射出成形、塗布、または圧縮成形プロセスにより熱可塑性成形用組成物が材料の裏面に形成されるか、発泡成形または圧縮成形プロセスにより熱硬化性成形組成物が材料の裏面に形成される。]
[0180] 熱成形後、金型内塗装用金型に入れる前に、この複合積層シートまたは複合積層箔を形状カットにかけてもよい。この形状カットは、金型内塗装用金型から取り出す後まで延期することもできる。]
[0181] [分散液]
もう一つの好ましい実施形態においては、化学めっき及び/又は電解めっき法での金属の析出のために本発明の方法で使用できる基板が、化学めっき及び/又は電解めっき法による金属化工程の前に、基板に膨張黒鉛を含む分散液を与え、この分散液を少なくとも部分的に乾燥及び/又は少なくとも部分的に硬化させたものである。]
[0182] 好ましい膨張黒鉛を含む分散液は、成分A’、B’及びC’の総質量(合計が100質量%)に対して
a’ 0.1〜99.9質量%の、好ましくは2〜89.5質量%、特に好ましくは4〜84質量%の成分A’と、
b’ 0.1〜30質量%の、好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜10質量%の成分B’と、
c’ 0〜99.8質量%の、好ましくは10〜97.5質量%、特に好ましくは15〜95質量%の成分C’を含んでいる。
この分散液は、上記の成分A’〜C’以外に、少なくとも一種の以下の成分を含んでいてもよい。
d’ 成分A’〜C’の総質量に対して0.1〜50質量%の、好ましくは0.5〜40質量%の、特に好ましくは1〜20質量%の分散剤成分D1と、
e’ 成分A’〜C’の総質量に対して0〜50質量%の、好ましくは0.1〜40質量%の、特に好ましくは0.5〜30質量%の、成分B’とは異なる充填材成分E。
分散液の個々の成分を以下に述べる。]
[0183] [成分A’]
有機の結着剤成分A’は、結着剤または結着剤混合物である。可能な結着剤としては、顔料に親和性のアンカー基をもつ結着剤、天然及び合成ポリマーとそれらの誘導体、天然および合成樹脂とそれらの誘導体、天然ゴム、合成ゴム、タンパク質、セルロース誘導体、乾燥および非乾燥油等が含まれる。これらは、化学的または物理的に硬化可能な物質、例えば空気硬化性、放射線硬化性、または熱硬化性物質であってもよいし、なくてもよい。]
[0184] 結着剤成分A’は、好ましくはポリマーまたはポリマー混合物である。]
[0185] 結着剤として好ましいポリマーとしては、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン);ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート);アクリル酸化アクリレート類;アルキド樹脂;アルキルビニルアセテート類;アルキレン−酢酸ビニルコポリマー、特にメチレン−酢酸ビニル、エチレン−ビニルアセテート、ブチレン−酢酸ビニル;アルキレン−塩化ビニルコポリマー;アミノ樹脂;アルデヒド樹脂やケトン樹脂;セルロースやセルロース誘導体、特にヒドロキシアルキルセルロース、酢酸セルロースやプロピオン酸セルロース、酪酸セルロースなどのセルロースエーテル類、カルボキシアルキルセルロース類、硝酸セルロース;エポキシアクリレート類;エポキシ樹脂;変性エポキシ樹脂、例えば二官能性のまたは多官能性のビスフェノールAまたはビスフェノールF樹脂、エポキシ−ノボラック樹脂、臭素化エポキシ樹脂、シクロアリファチックエポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂、グリシド酸エーテル類、ビニルエーテル類、エチレン−アクリル酸コポリマー;炭化水素樹脂類;MABS(アクリレート単位を含む透明ABS);メラミン樹脂、無水マレイン酸コポリマー;メタクリレート類;天然ゴム;合成ゴム;塩化ゴム;天然型樹脂類;ロジン類;セラック;フェノール樹脂;ポリエステル類;フェニルエステル樹脂などのポリエステル系樹脂;ポリスルホン類;ポリエーテルスルフォン類;ポリアミド類;ポリイミド類;ポリアニリン類;ポリピロール類;ポリブチレンテレフタレート(PBT);ポリカーボネート(例えば、バイエル社のマクロロン(登録商標));ポリエステルアクリレート類;ポリエーテルアクリレート類;ポリエチレン;ポリエチレン−チオフェン類;ポリエチレンナフタレート類;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG);ポリプロピレン;ポリメタクリル酸メチル(PMMA);ポリフェニレンオキシド(PPO);ポリスチレン類(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);ポリテトラヒドロフラン;ポリエーテル類(例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)、ポリビニル化合物、特にポリ塩化ビニル(PVC)、PVCコポリマー、PVdC、ポリ酢酸ビニル、およびこれらのコポリマー、ポリビニルアルコール、適当なら部分加水分解物、ポリビニルアセタール類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル類、溶液状又は分散液状のポリビニルアクリレート類とポリビニルメタクリレート類、およびこれらのコポリマー、ポリアクリレート類とポリスチレンコポリマー;ポリスチレン(衝撃変性物または非衝撃変性物);ポリウレタン類、非架橋またはイソシアネート架橋物;ポリウレタンアクリレート類、スチレン系−アクリル系のコポリマー;スチレン−ブタジエンブロックコポリマー(例えば、BASF社のスチロフレックス(登録商標)またはスチロルックス(登録商標)、CPC社のK樹脂、クラトンポリマー社のクラトンDまたはクラトンG);タンパク質、例えばカゼイン;SIS;トリアジン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT)、シアネートエステル樹脂(CE)、アリル化ポリフェニレンエーテル類(APPE)があげられる。]
[0186] 2種以上のポリマーの混合物を有機結着剤成分A’としてもよい。]
[0187] 成分A’として好ましいポリマーとしては、アクリレート類、アクリレート樹脂類、セルロース誘導体、メタクリレート類、メタアクリル酸樹脂、メラミンおよびアミノ樹脂、ポリアルキレン類、ポリイミド類、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、例えば二官能性のまたは多官能性のビスフェノールAまたはビスフェノールF樹脂、エポキシ−ノボラック樹脂、臭素化エポキシ樹脂、シクロアリファチックエポキシ樹脂;脂肪族のエポキシ樹脂、グリシド酸エーテル類、ビニルエーテル類、フェノール樹脂、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリビニルアセタール類、ポリ酢酸ビニル類、ポリスチレン類、ポリスチレンコポリマー、ポリスチレン−アクリレート類、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、アルキレン−酢酸ビニル類、塩化ビニルコポリマー類、ポリアミド類、およびこれらのコポリマーがあげられる。]
[0188] [成分B’]
成分B’として使用可能な材料は、上に成分Bとして記載されている膨張黒鉛粒子である。]
[0189] 本発明のある実施形態においては、この黒鉛粒子の分散液への添加方法は、黒鉛粒子をまず結着剤成分A’に導入し、成分A’がポリマーまたはポリマー混合物を含む場合は、この導入を結着剤成分A’を与えるモノマーの重合中または重合後に行うことである。黒鉛粒子を重合反応後に添加する場合は、好ましくは押出機中で、あるいは好ましくは混練機中でこれを溶融ポリマーに添加する。混練機または押出機中で混合すると、黒鉛粒子の凝集物を実質的にあるいは完全に粉砕でき、黒鉛粒子を高分子マトリックス中に分散させることができる。]
[0190] 前もって黒鉛粒子を結着剤成分A’に導入する、ある好ましい実施形態においては、黒鉛粒子を、成分A’として用いられるポリマーからなる群から選ばれるポリマー中に高度に濃縮されたマスターバッチの形で供給することができる。マスターバッチ中の黒鉛粒子の濃度は、通常5〜50質量%の範囲であり、好ましくは8〜30質量%、特に好ましくは12〜22質量%の範囲である。マスターバッチの製造は、例えばUS−A5643502に記載されている。マスターバッチを使用すると、特に凝集物の粉砕が改善される。]
[0191] 分散液中への導入により、あるいは前もって成分A’への導入により、黒鉛粒子の長さの分布が、最初に用いたものより短くなる。]
[0192] [成分C’]
この分散液は、さらに溶媒成分C’を含んでいる。これは溶媒または溶媒混合物からなる。]
[0193] 好適な溶媒の例としては、脂肪族及び芳香族炭化水素(例えば、n−オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アミルアルコール)、多価アルコール類(例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール)、アルキルエステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、3−メチルブタノール)、アルコキシアルコール類(例えば、メトキシプロパノール、メトキシブタノール、エトキシプロパノール)、アルキルベンゼン類(例えば、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン)、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、アルキルグリコールアセテート類(例えば、ブチルグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート)、ジアセトンアルコール、ジグリコールジアルキルエーテル類、ジグリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレンジグリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジグリコールアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジオキサン、ジプロピレングリコールやジプロピレングリコールエーテル類、ジエチレングリコールやジエチレングリコールエーテル類、DBE(二価エステル類)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、塩化エチレン、エチレングリコール、エチレングリコールアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、クレゾール、ラクトン類(例えば、ブチロラクトン)、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK))、メチルジグリコール、塩化メチレン、メチレングリコール、メチルグリコールアセテート、メチルフェノール類(オルト−、メタ−、パラクレゾール)、ピロリドン類(例えば、N−メチル−2−ピロリドン)、プロピレングリコール、プロピレンカーボネート、四塩化炭素、トルエン、トリメチロールプロパン(TMP)、芳香族炭化水素類と混合物、脂肪族炭化水素類と混合物、アルコール系モノテルペン類(例えば、テルピネオール)、水、およびこれらの溶媒の2つ以上の混合物があげられる。]
[0194] 好ましい溶媒は、アルコール類(例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール)、アルコキシアルコール類(例えば、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール)、ブチロラクトン、ジグリコールジアルキルエーテル類、ジグリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート、ジグリコールアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、DBE)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン)、多価アルコール類(例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、炭化水素類(例えば、シクロヘキサン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン)、N−メチル−2−ピロリドン、水、及びこれらの混合物である。]
[0195] [成分D’]
この分散液は、さらに分散剤成分D’として、上述の成分Cとしての分散剤を含んでいてもよい。]
[0196] [成分E’]
この分散は、さらに充填材成分E’として、上述の成分Dとしての充填材を含んでもよい。]
[0197] この分散液は、さらに、上記の成分A’、B’及びC’、また適当なら、成分D’及び/又はE’に加えて、他の添加材料、例えば加工助剤や安定剤(例えば、UV安定剤や潤滑剤、腐食防止剤、難燃剤)を含んでいてもよい。]
[0198] また、他の添加物、例えばシリカやケイ酸塩、例えばアエロジルまたはベントナイトなどのチキソトロピー効果を持つ試薬またはチキソトロピー効果を持つ有機試薬、ポリアクリル酸などの増粘剤、ポリウレタン類、硬化ヒマシ油、染料、脂肪酸、脂肪酸アミド類、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、潤滑剤、吸水材、架橋剤、光開始剤、錯化剤、ワックス類、顔料、導電性ポリマー粒子を用いることもできる。]
[0199] 他の添加材料の含量は、分散液の総質量に対して、通常0.01〜30質量%である。この含量は、好ましくは0.1〜10質量%である。]
[0200] 分散液を製造するのに好ましい方法は以下の工程からなる:
a’) 成分A’〜B’(または、A〜C)と少なくとも成分C’の一部(または、D)または適当なら、D’、及びE’(または、E、F)、更にこれ以外の成分とを混合する工程と、
b’)混合物を分散する工程と、
c’)適当なら、それぞれの利用プロセスに適した粘度への調整のための成分C(または、D)の、工程a’)で使用されなかった分を添加する工程。
この分散液は、当業界の熟練者には既知の装置を用いて、激しい混合と分散により製造される。すなわち、強分散装置中での、例えば混練機、ボールミル、ビーズミル、ディソルバー、3本ロールミル、またはローターステーター式混合機中での成分の混合である。]
[0201] 分散液の所望成分すべてを、単一段の加工工程で混合することができる。しかしながら、上述のように、2つ以上の成分を、例えば成分A’とB’を前もって混合して、残る成分の混合を、続く別の加工工程にまで延期することもできる。]
[0202] 基板の表面の少なくとも一部へ金属層を形成するための本発明の方法のある一つの実施形態は、以下の工程からなる:
a)膨張黒鉛を含む分散液を基板に塗布する工程と、
b)基板上に塗布された層を、少なくとも部分的に乾燥及び/又は少なくとも部分的に硬化する工程と、
c)少なくとも部分的に乾燥され及び/又は少なくとも部分的に硬化された分散層上へ化学めっき法及び/又は電解めっき法による金属を析出させる工程。]
[0203] 工程a)での分散液の塗布工程と粘度の調整のプロセスでは、分散液を攪拌し、温度をコントロールすることが好ましい。]
[0204] 適当なら、工程b)とc)の間に活性化工程を入れてもよい。これは、乾燥及び/又は硬化後の分散層を、少なくとも部分的に化学的及び/又は機械的に分解させて、少なくとも部分的に導電性粒子を暴露させる工程である。]
[0205] 導電性粒子が酸化しやすい材料を含む場合は、本プロセスの変法として、構造を有するあるいは平坦な乾燥及び/又は硬化後の分散層上に金属層を形成する前に、導電性粒子の酸化物層を少なくとも部分的に除くことができる。例えばこの酸化物層を除くのに化学的及び/又は機械的な手段を用いてもよい。導電性粒子から酸化物層を化学的に除去するために乾燥及び/又は硬化後の分散層の処理に用いることのできる好適な物質は、酸であり、具体的には、濃硫酸または希硫酸、または濃塩酸または希塩酸、クエン酸、リン酸、アミドスルホン酸、ギ酸、または酢酸である。]
[0206] この酸化物層の少なくとも部分的な除去、また表面での導電性粒子の少なくとも部分的な露出を、同時に行うことができる。]
[0207] 非導電性の材料、例えばポリマーにより、好適な基板が与えられる。好適なポリマーとしては、エポキシ樹脂(例えば、二官能性または多官能性の、アラミド強化またはガラス繊維強化または紙強化エポキシ樹脂(例えば、FR4))、ガラス繊維強化プラスチック、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフイド類(PPS)、ポリオキシメチレン類(POM)、ポリアリールエーテルケトン類(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン類(PEEK)、ポリアミド類(PA)、ポリカーボネート類(PC)、ポリブチレンテレフタレート類(PBT)、ポリエチレンテレフタレート類(PET)、ポリイミド類(PI)、ポリイミド樹脂、シアネートエステル類、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ナイロン、ビニルエステル樹脂、ポリエステル類、ポリエステル系樹脂、ポリアミド類、ポリアニリン類、フェノール樹脂、ポリピロール類、ポリナフタレンテレフタレート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンジオキシチオフェン類、フェノール樹脂、塗装アラミド紙、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、フルオロ樹脂、誘電体、APPE、ポリエーテルイミド類(PEI)、ポリフェニレンオキシド類(PPO)、ポリプロピレン類(PP)、ポリエチレン類(PE)、ポリスルホン類(PSU)、ポリエーテルスルフォン類(PES)、ポリアリールアミド類(PAA)、ポリ塩化ビニル類(PVC)、ポリスチレン類(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン類(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート類(ASA)、スチレン−アクリロニトリル類(SAN)、上述のポリマーの2種以上の混合物があげられ、これらは非常にいろいろな形状を取ることができる。これらの基板は、当業界の熟練者には既知の添加物、例えば難燃剤を含んでいてもよい。]
[0208] 原理的には、成分Aとしてあげたポリマーのいずれを用いてもよい。]
[0209] 他の好適な基板は、プレスしてシートまたはロール状とした、複合材料や発泡体型のポリマー、スチロポール(登録商標)、スチロデュール(登録商標)、ポリウレタン類(PU)、セラミック表面、織物、板紙、厚紙、紙、ポリマーコート紙、木材、鉱物材料、ケイ素、ガラス、植物組織、または動物組織、または樹脂含浸の織布である。]
[0210] 本発明のこの実施形態の目的では、「非導電性基板」とは、好ましくはその基板の表面抵抗が109オームs/cmを超えることを意味する。
当業界の熟練者には既知の方法により、この基板/裏打ち材にこの分散液が塗布される。]
[0211] 基板表面への塗布は、一面以上に行うことができ、一、二、または三次元に及んでもよい。基板は、通常、望ましい用途に好適ないずれか所望の形状を有している。]
[0212] 工程a)において、構造を持つあるいは構造を持たない状態でこの分散液が塗布される。塗布の工程[工程a)]と乾燥及び/又は硬化の工程[工程b)]と金属の析出の工程[工程c)]を、連続的な方法で実施することが好ましい。これは、工程a)とb)とc)とを単純に実施することで行われる。しかし、回分的あるいは半連続的なプロセスももちろん可能である。]
[0213] 用いることのできる塗布方法は、既存の公知の塗布方法(例えば、塗布や、散布、ドクター塗布、ブラシ塗布、印刷(凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、パッド印刷、インクジェット、オフセット、DE10051850等に記載のレーザーソニック(登録商標)法)、吹き付け、浸漬塗布、ロール塗布、粉体塗装、流動床など)である。この層厚は、好ましくは0.01〜100μmの範囲であり、より好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは1〜25μmの範囲である。これらの層は、構造を持った状態であるいは持たない状態で塗布される。]
[0214] 構造的または非構造的に塗布された塗膜の乾燥または硬化には、従来法が用いられる。例えば、この分散液を、化学的な経路で、例えば結着剤の重合、重付加または重縮合反応により、例えばUV照射、電子線照射、マイクロ波照射、IR照射、または加熱により硬化させることができ、また純粋に物理的な経路で、例えば溶媒の蒸発により硬化させることができる。物理的経路と化学的経路で同時に乾燥を行うこともできる。]
[0215] 分散液の塗布と少なくとも部分的な乾燥及び/又は少なくとも部分的な硬化後に得られた層は、続く、少なくとも部分的に乾燥され及び/又は少なくとも部分的に硬化された分散層上への化学めっき及び/又は電解めっき法による金属の析出を可能とする。]
[0216] [無電流法または電解めっき法による基板への金属の析出]
膨張黒鉛、例えば黒鉛含有熱可塑性成形用組成物を含む表面を持つ基板、または黒鉛含有分散液を塗布された基板は、電解めっき方法による金属層の析出に、即ち複雑な基板表面の前処理の必要なしでの金属化基板の製造に特に適している。]
[0217] 原理的には、当業界の熟練者には既知で、無電流法または電解めっき法によるプラスチック表面への金属の析出に関する文献に記載のいずれの方法も、金属化基板の製造プロセスとして好適である。(例えば、Harold Ebneth et al., Metallisieren von Kunststoffen: Praktische Erfahrungen mit physikalisch, chemisch und galvanisch metallisierten Hochpolymeren [プラスチックの金属化:物理的方法、化学的方法、及び電解めっき方法により金属化された高分子での実用的な経験]、Expert Verlag, Renningen− Malmsheim, 1995, ISBN 3−8169−1037−8; Kurt Heymann et al., Kunststoffmetallisierung: Handbuch fur Theorie und Praxis [プラスチックの金属化:理論的実用的なマニュアル] No. 22 in the series of publications entitled Galvanotechnik und Oberflachenbehandlung [電解めっき技術と表面処理]、Saulgau: Leuze, 1991; Mittal, K. L. (ed.), Metallized Plastics Three: Fundamental and Applied Aspects, Third Electrochemical Society Symposium on Metallized Plastics: Proceedings, Phoenix, Arizona, October 13−18, 1991, New York, Plenum Pressを参照)。]
[0218] それぞれ最終的な成形プロセスの後、金属化可能な基板をカソードとして、これに電圧をかけ、酸性、中性または塩基性の金属塩溶液と接触させることが好ましい。その際、電解めっき法により、この金属塩溶液の金属が金属化可能な基板中の黒鉛粒子含有表面上に析出する。好ましい析出金属は、クロムやニッケル、銅、金、銀であり、特に銅である。例えば金属化可能な基板を、外部電圧と電流をかけながら、異なる金属の溶液を含む複数の浸漬塗装浴に導いて、電解めっき法で複数の金属層を続けて析出させることも可能である。無電流メッキの場合、金属は、導電性粒子(C)より貴である必要がある。]
[0219] 化学物質及び/又は電解めっきによる無電流金属化の前に、金属化可能な基板の表面の前処理は特に必要ないが、原理的には、当業界の熟練者には既知の方法により表面活性化を行うことが好ましい。接着を改善し金属析出を早めるために、制御された状態で表面を粗し、あるいはコントロールされた方法で表面に黒鉛粒子を露出させて、基板表面の表面活性化を行ってもよい。黒鉛粒子の露出は、金属化を行うのに高分子マトリックス中のより少ない部分を使うことができるという利点を有している。]
[0220] この表面活性化は、例えば、機械的な研磨、特にブラシ研磨、研削、または研磨材を用いる研磨、またはウォータージェット圧衝撃、またはサンドブラスト、または超臨界二酸化炭素(ドライアイス)を用いるブラストにより行うことができ、また、物理的な方法で、例えば加熱や、レーザー、紫外光、コロナまたはプラズマの照射、及び/又は化学的な摩擦により、特にエッチング及び/又は酸化により行うことができる。機械的研磨及び/又は化学的研磨を行う方法は、当業界の熟練者には既知であり、先行技術に記載がある。]
[0221] 研削に用いられる研磨材は、当業界の熟練者には既知のいずれかの研磨材であってもよい。好適な研磨材の一例は軽石粉である。ウォータージェット加圧下で、硬化分散体の最上層を研磨するには、このウォータージェットが、小さい固体粒子を、例えば平均粒子径分布が40〜120μmである、好ましくは60〜80μmである軽石粉(Al2O3)または粒径が>3μmの石英(SiO2)を含むことが好ましい。]
[0222] 金属化可能な基板の延伸により、特に倍率が1.1〜10、好ましくは1.2〜5、特に好ましくは1.3〜3での延伸により表面活性化を行ってもよい。]
[0223] もちろん、機械的な及び/又は化学的な研磨や延伸についての上記実施形態を、表面活性化のために併用することもできる。]
[0224] 延伸は、一方向以上に行うことができる。押出成形物、線状物、またはチューブの場合は、延伸は好ましくは一方向に行われ、シート状プラスチックの場合は、例えば箔またはシートのブロー成形または熱成形プロセスにより、多方向に、特に二方向に延伸することが好ましい。多方向延伸の場合は、延伸の少なくとも一方向において上記の延伸倍率が達成されることが肝要である。]
[0225] 延伸の用いることのできるプロセスは、原理的には、文献記載で当業界の熟練者には既知のいずれの延伸プロセスであってもよい。箔用の好ましい延伸プロセスの例は、ブロー成形プロセスである。]
[0226] 化学研磨の場合は、基板ポリマーに対して好適な化学物質または化学物質混合物を用いることが好ましい。化学研磨の場合は、ポリマーの表面を、例えば少なくとも部分的に溶媒で溶解除去してもよく、またはマトリックス材料の化学構造を、少なくともある程度、適当な試薬で乱して黒鉛粒子を露出させてもよい。マトリックス材料を膨潤させる試薬が、黒鉛粒子を露出させるのに好適である。膨潤により空洞ができ、そこに析出する金属イオンが電解液から流入し、黒鉛の大部分の金属化が可能となる。露出する黒鉛粒子の比率が増加すると金属化速度が増加する。]
[0227] マトリックス材料が、例えばエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、エポキシ−ノボラック、ポリアクリレート、ABS、スチレン−ブタジエンコポリマー、またはポリエーテルの場合は、酸化剤を用いて黒鉛粒子を放出させることが好ましい。この酸化剤は、マトリックス材料の結合を切断し、結着剤を除去して粒子を放出させる。好適な酸化剤の例としては、マンガン酸塩(例えば、過マンガン酸カリウム、マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸ナトリウム)、過酸化水素、酸素、触媒(例えば、マンガン塩、モリブデン塩、ビスマス塩、タングステン塩、コバルト塩)の存在下での酸素、オゾン、五酸化バナジウム、二酸化セレン、アンモニウムポリスルフィド溶液、硫黄存在下でのアンモニアまたはアミン類、二酸化マンガン、鉄酸カリウム、重クロム酸/硫酸、硫酸または酢酸または無水酢酸中のクロム酸、硝酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、重クロム酸ピリジニウム、クロム酸ピリジン錯体、クロム酸無水物、酸化クロム(VI)、過ヨウ素酸、四酢酸鉛、キノン、メチルキノン、アントラキノン、臭素、塩素、フッ素、第二鉄塩溶液、二硫酸塩溶液、過炭酸ナトリウム、オキソハロ酸(例えば、塩素酸または臭素酸またはヨウ素酸)の塩類、過ハロ酸塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムまたは過塩素酸ナトリウム)、過ホウ酸ナトリウム、重クロム酸塩(例えば、重クロム酸ナトリウム)、過硫酸塩(例えば、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ一硫酸カリウム)、ピリジニウムクロロクロメート、ハイポハロ酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)、求電子的試薬存在下でのジメチルスルホキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、3−クロロ過安息香酸、2,2−ジメチルプロパナール、デス−マーティン−ペルヨージナン、オキサリルクロライド、尿素−過酸化水素付加物、尿素過酸化物、2−ヨード安息香酸、ペルオキソ一硫酸カリウム、m−クロロ過安息香酸、N−メチルモルホリンN−オキシド、2−メチルプロプ−2−イルハイドロパーオキシド、過酢酸、ピバルアルデヒド、四酸化オスミウム、オキソン類、ルテニウム(III)塩類とルテニウム(IV)塩類、酸素存在下での2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルN−オキシド、トリアセトキシペルヨージナン、トリフルオロ過酢酸、トリメチルアセトアルデヒド、硝酸アンモニウムがあげられる。放出プロセスを改善するために、このプロセス中で必要に応じて温度を上げることができる。]
[0228] マンガン酸塩(例えば、過マンガン酸カリウム、マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸ナトリウム)、過酸化水素、N−メチル−モルホリンN−オキシド、過炭酸塩(例えば、過炭酸ナトリウムまたは過炭酸カリウム)、過ホウ酸塩(例えば、過ホウ酸ナトリウムまたは過ホウ酸カリウム)、過硫酸塩(例えば、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸カリウム)、ペルオキソ二硫酸又は一硫酸のナトリウム、カリウム、およびアンモニウム塩、次亜塩素酸ナトリウム、尿素−過酸化水素付加物、オキソハロ酸塩(例えば、塩素酸塩または臭素酸塩またはヨウ素酸塩)、過ハロ酸塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムまたは過塩素酸ナトリウム)、ペルオキシ硫酸テトラブチルアンモニウム、キノン類、第二鉄塩溶液、五酸化バナジウム、重クロム酸ピリジニウム、塩酸、臭素、塩素、重クロム酸塩が好ましい。]
[0229] 特に好ましいのは、過マンガン酸カリウム、マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸ナトリウム、過酸化水素とその付加物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、ペルオキソ硫酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、およびパークロレート類である。]
[0230] 例えばエステル構造を有するマトリックス材料、具体的にはポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、ポリエステルウレタン中の黒鉛粒子を露出するには、例えば酸性またはアルカリ性の化学物質及び/又は化学物質混合物を用いることが好ましい。好ましい酸性の化学物質及び/又は化学物質混合物は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、または硝酸の濃酸または希酸である。マトリックス材料によっては有機酸も好適であり、その例としてはギ酸または酢酸があげられる。好適なアルカリ性化学物質及び/又は化学物質混合物は、例えば塩基であり、具体的には水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、アンモニウムヒドロキシド、または炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのカーボネート類である。放出プロセスを改善するために、このプロセスでは必要に応じて温度を上げることができる。]
[0231] マトリックス材料中の黒鉛粒子を露出させるために溶媒を用いることもできる。マトリックス材料は溶媒中で溶解するか、溶媒で溶媒和される必要があるため、この溶媒は、適度にマトリックス材料に適合する必要がある。マトリックス材料が可溶な溶媒を用いる場合は、基層をほんの短時間溶媒と接触させて、マトリックス材料の上層のみが溶媒和され分離されるようにする。原理的には、上述の溶媒のいずれを用いてもよい。好ましい溶媒は、キシレンや、トルエン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルである。溶解挙動を改善するため、必要なら溶解処理中に温度をあげてもよい。]
[0232] 化学めっき及び/又は電解めっき法により析出した一層以上の金属層の厚みは、当業界の熟練者には既知で、従来の範囲であり、本発明に特に重要なわけではない。]
[0233] 特に好ましい導電性部品、特にプリント基板用の金属化基板は、化学めっき及び/又は電解めっき法により析出させた、少なくとも一層の金属層を、特に銅層、銀層または金層を有している。]
[0234] 装飾分野で使用するための特に好ましい金属化基板は、化学めっき及び/又は電解めっき法により析出させた銅層と化学めっき及び/又は電解めっき法によりその上に析出させたニッケル層とその上に析出させたクロム層、銀層、または金層を有している。]
[0235] 適当なら文献に記載で当業界の熟練者には既知の方法で導電回路構造を形成した後のこれらの金属化基板は、導電性部品として、特にプリント基板、RFIDアンテナ、トランスポンダアンテナ、または他のアンテナ構造、スイッチ、センサー、MID、および吸収器やアッテネーターなどのEMI遮蔽材料(即ち、電磁障害防止用材料)として、電磁放射線の反射体として、またガスバリア材または装飾材として好適であり、特に自動車分野や、衛生分野、玩具分野、家庭用品分野、オフィス分野での装飾材として好適である。]
[0236] これら用途の例としては、コンピューターのケースや、電子部品のケース、軍事用/非軍事用遮蔽装置、シャワー取付具や洗面台取付具、シャワーヘッド、シャワーレール、シャワー保持具、金属化ドアハンドルやドアつまみ、トイレット紙ロール保持具、バスタブグリップ、家具や鏡の金属化装飾板、シャワー間仕切り用のフレームがあげられる。]
[0237] さらに、自動車分野での金属化プラスチック表面材、具体的には装飾板や、外部ミラー、ラジエータグリル、フロント末端の金属化、空気翼表面、外部ボディ部材、ドア敷居、交換用レッド板があげられる。]
[0238] プラスチックから製造可能な部品とは、特に、従来部分的または完全に金属により製造されてきた部品をいう。その例としては、プライヤや、ドライバ、ドリル、ドリルチャック、のこぎりの刃、リングレンチ、開放あご型レンチなどの工具があげられる。
磁化性金属を含む場合は、金属化基板は、磁化性機能的部材として、例えば磁気パネル、磁気ゲーム、冷蔵庫ドアなどの磁気表面としても使用できる。これらは、高い熱伝導率が有利な分野にも、具体的には弁座加熱システム用や床暖房システム用、絶縁材料用の箔中にも応用可能である。]
[0239] 本発明はまた、基板表面に、金属層の形成のための上述の発明方法で得られる少なくとも部分的に導電性の金属層を与える。]
[0240] この種の基板表面は、導電または伝熱のために、電磁波遮蔽のために、あるいは磁化のために利用できる。]
[0241] 本発明はまた、本発明の分散液の金属層形成のための利用を提供する。]
[0242] 本発明の基板表面、また本発明のプロセスは、特に以下に示すいろいろな用途に用いることができる。]
[0243] 本発明の基板表面及び/又は本発明のプロセスは、例えばプリント基板上の導電回路の形成に好適である。これらのプリント基板の例としては、多層の内部および外部の層を持つもの、マイクロバイアスでチップ−オン−ボードの柔軟性及び剛直プリント基板があげられ、これらは、例えば、コンピューターや、電話、テレビ、電気自動車部品、キーボード、ラジオ、ビデオ装置、CD装置、CD−ROM装置、DVD装置、ゲーム操作盤、測定・制御装置、センサー、電気厨房機器、電気玩具等の製品に取り付けられる。]
[0244] 本発明のプロセスは、また柔軟性を持つ回路の裏打ち材上の導電性構造物を覆うためにも使用できる。これらの柔軟性を持つ回路裏打ち材は、例えば、その上に導電性構造が印刷される上述の裏打ち材からなるプラスチック箔である。本発明のプロセスは、またRFIDアンテナ、トランスポンダアンテナ、またはアンテナ構造物、チップカードモジュール、リボンケーブル、弁座加熱システム、箔導電体、太陽電池やLCD表示画面やプラズマ表示画面中の導電回路、箔キャパシターまたはその他のキャパシター、抵抗体、放熱体、または電気ヒューズの製造に好適であり、あるいは片面または両面に特定の層厚で金属塗装した高分子担体、または3D成形の接続装置などの電解めっきプロセスで塗装された何らかの形状の製品の製造に、また使用する製品あるいは包材として用いられる製品上に、装飾表面または電磁波遮蔽や伝熱用の機能的表面を形成するために好適である。]
[0245] また、有機電子部品と接触するアンテナの製造に、あるいは電磁遮蔽(EMI)のために非導電性材料の表面に塗膜を形成するために使用することもできる。]
[0246] また、非導電性材料からなる構造を持つ高周波信号用の導波路を製造する際に、機械的補強のために金属性内部塗装を行うこともできる。この基板表面は、箔キャパシターの一部であってもよい。]
[0247] もう一つの可能な用途は、燃料電池用のバイポーラ板のフローフィールドの分野である。]
[0248] 上述の非導電性基板からなる成形物の金属化による装飾のために、非構造性または構造性の導電層を形成することも可能である。]
[0249] 本発明の分散液と本発明の基板表面と用いる本発明の金属層形成プロセスの適用範囲は、基板が非導電性である金属化基板の、特にスイッチやセンサー、電磁波吸収材、またはガスバリア材、または装飾材(特に、自動車剤分野、衛生分野、玩具分野、家庭用品分野、オフィス分野用の装飾材)、包装材、箔としての用途の金属化基板の低コスト製造を可能とする。本発明は、紙幣やクレジットカード、個人識別書類などの機密印刷の分野でも使用可能である。本発明の方法は、織布の電気的磁気的官能化(送信器、RFIDアンテナやトランスポンダアンテナ等アンテナ、センサー、加熱素子、静電防止システム(プラスチック用も含む)、遮蔽システムなど)に用いることができる。]
权利要求:

請求項1
金属塩溶液から金属を析出させて基板上に金属の層を形成する方法であって、前記基板表面中に膨張黒鉛が存在することを特徴とする方法。
請求項2
膨張黒鉛の表面積が300〜2600m2/gである請求項1に記載の方法。
請求項3
前記基板が熱可塑性成形用組成物を含み、該熱可塑性成形用組成物が、成分A、B、C及びDの総質量(100質量%)に対して、a成分Aとして20〜99質量%の熱可塑性ポリマー、b成分Bとして1〜30質量%の膨張黒鉛、c成分Cとして0〜10質量%の分散剤、及びd成分Dとして0〜40質量%の繊維状の又は粒子状の充填材、又はこれらの混合物を含むか、或いは、成分A、B、C、D及びEの総質量(100質量%)に対して、a成分Aとして20〜98質量%の熱可塑性ポリマー、b成分Bとして1〜30質量%の膨張黒鉛、c成分Cとして1〜70質量%の平均粒子径が0.01〜100μmである導電性粒子、d成分Dとして0〜10質量%の分散剤、及びe成分Eとして0〜40質量%の繊維状または粒子状の充填材、又はこれらの混合物とを含む請求項1又は2に記載の方法。
請求項4
用いる成分Aが、衝撃変性ビニル芳香族コポリマー、スチレン系の熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリ塩化ビニル、ポリエステル類、エポキシ樹脂、及び熱可塑性ポリウレタン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる一種以上のポリマーを含む請求項3に記載の方法。
請求項5
前記基板に分散液が供給され、該分散液が少なくとも部分的に乾燥及び/又は少なくとも部分的に硬化され、また前記分散液の少なくとも部分的な乾燥及び/又は少なくとも部分的な硬化の後で、金属が化学めっき及び/又は電解めっき法により析出され、前記分散液が、a’成分A’、B’及びC’の総質量に対して0.1〜99.9質量%の有機結着剤成分A’、b’成分A’、B’及びC’の総質量に対して0.1〜30質量%の膨張黒鉛成分B’、c’ 成分A’、B’及びC’の総質量に対して0〜99.8質量%の溶媒成分C’、必要に応じて、更に、少なくとも一種の以下の成分:d’成分A’、B’及びC’の総質量に対して0.1〜50質量%の分散剤成分D’、及びe’成分A’、B’及びC’の総質量に対して0.1〜50質量%の充填材成分E’を含むか、或いはa成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜99.8質量%の有機結着剤成分A、b成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜30質量%の膨張黒鉛成分B、c成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜70質量%の平均粒子径が0.01〜100μmである導電性粒子成分C、d成分A、B、C及びDの総質量に対して0〜99.7質量%の溶媒成分D、必要に応じて、更に、少なくとも一種の以下の成分:e成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜20質量%の分散剤成分E、及びf成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜40質量%の添加物Fを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
請求項6
前記結着剤成分A’が、ポリマーまたはポリマー混合物からなる請求項5に記載の方法。
請求項7
前記分散液が、構造性または非構造性の形で基板に塗布される請求項5又は6に記載の方法。
請求項8
化学的及び/又は電解めっき法に先立って表面活性化された膨張黒鉛含有基板表面が、金属の析出に使用される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9
基板上への金属層の形成のための膨張黒鉛の使用方法。
請求項10
少なくとも部分的に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法から得られる導電性金属層を含む基板表面。
請求項11
請求項10に記載の基板表面の、電流または熱の伝導のための、装飾金属表面としての、電磁波の遮蔽のための、又は磁化のための使用方法。
請求項12
プリント基板、RFIDアンテナ、トランスポンダアンテナ又は他のアンテナ構造物、シート加熱システム、リボンケーブル、薄膜導電体、無接触チップカード、太陽電池又はLCD画面又はプラズマ表示画面中の導電回路としての、或いは化学めっき及び/又は電解めっき法により塗装されたいずれか所望の形の製品の製造のための請求項11に記載の使用方法。
請求項13
無電流法及び/又は電解めっき法により金属化可能な成形物製造用の熱可塑性成形用組成物であって、成分A、B、C、D及びEの総質量(100質量%)に対して、a成分Aとして20〜98質量%の熱可塑性ポリマー、b成分Bとして1〜30質量%の膨張黒鉛とc成分Cとして1〜70質量%の平均粒子径が0.01〜100μmである導電性粒子、d成分Dとして0〜10質量%の分散剤、及びe成分Eとして0〜40質量%の繊維状または粒子状充填材、又はこれらの混合物を含む組成物。
請求項14
用いる成分Cが、金属粉を含む請求項13に記載の熱可塑性成形用組成物。
請求項15
無電流法及び/又は電解めっき法で金属化された成形物の製造方法であって、請求項13又は14に記載の熱可塑性成形用組成物を溶融状態で混合し、次いでこれを押出成形または射出成形し、次いで必要に応じて、1工程以上の他の成形プロセスを実施し、最終的に無電流法及び/又は電解めっき法により金属塩溶液から金属層を析出させる(必要に応じて無電流法及び/又は電解めっき法による金属析出の前に、熱可塑性成形用組成物の表面を活性化する)ことを特徴とする製造方法。
請求項16
請求項15に記載の製造方法で製造された金属化成形物。
請求項17
銅及び/又はクロム及び/又はニッケルからなる一層以上の金属層を含む請求項16に記載の金属化成形物。
請求項18
請求項16又は17に記載の金属化成形物を含む、導電性部品、電磁波の吸収材、アッテネーター又は反射材等のEMI遮蔽装置、ガスバリア材、或いは装飾部品、特に自動車剤分野、衛生分野、玩具分野、家庭用品分野、又はオフィス分野での装飾部品。
請求項19
非導電性基板上への金属層形成用の分散液であって、a成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜99.8質量%の有機結着剤成分A、b成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜30質量%の膨張黒鉛成分B、c成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜70質量%の平均粒子径が0.01〜100μmである導電性粒子成分C、d成分A、B、C及びDの総質量に対して0〜99.7質量%の溶媒成分D、必要に応じて、更に、少なくとも一種の以下の成分:e成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜20質量%の分散剤成分E、及びf成分A、B、C及びDの総質量に対して0.1〜40質量%の添加物Fを含む分散液。
請求項20
用いる成分Cが、金属粉を含む請求項19に記載の分散液。
請求項21
請求項19又は20に記載の分散液の製造方法であって、a’)成分A〜Cと、少なくとも成分Dの一部と、必要に応じて更に成分EとFと、他の成分とを混合する工程、及びb’)前記混合物を分散する工程を含む製造方法。
請求項22
非導電性基板の表面の少なくとも一部に金属層を形成する方法であって、a)請求項19又は20に記載の分散液を前記基板上に少なくとも部分的に塗布する工程、b)前記基板上に形成されたされた分散液層を少なくとも部分的に乾燥及び/又は部分的に硬化させる工程、及びc)無電流法及び/又は電解めっき法により、少なくとも部分的に乾燥及び/又は少なくとも部分的に硬化された分散液層上に金属を析出させて金属層を形成する工程[必要に応じて、工程b)と工程c)の間に、少なくとも部分的に乾燥及び/又は硬化された分散液層の表面を活性化する工程]を含む方法。
請求項23
少なくとも部分的に、請求項22に記載の方法で得られる導電性金属の層を有する基板表面。
請求項24
請求項23に記載の基板表面の、電流または熱の伝導のための、又は装飾金属表面としての、又は電磁波遮蔽のための、又は磁化のための、例えばプリント基板や、RFIDアンテナ、トランスポンダアンテナまたは他のアンテナ構造物、シート加熱システム、リボンケーブル、薄膜導電体、無接触チップカード、太陽電池またはLCDスクリーン又はプラズマ表示画面中の導電回路としての形での、或いは化学めっき及び/又は電解めっき法により塗装されたいずれか所望の製品の製造のための使用方法。
請求項25
請求項19又は20に記載の分散液の金属層の形成のための使用方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
EP2388355B1|2013-06-12|Resin plating method using graphene thin layer
JP5793425B2|2015-10-14|多孔質層を有する積層体、及びそれを用いた機能性積層体
JP4674730B2|2011-04-20|半硬化体、硬化体、積層体、半硬化体の製造方法及び硬化体の製造方法
TWI679258B|2019-12-11|Adhesive composition and laminated body using the same
KR101927971B1|2018-12-11|향상된 도금 성능 및 허용 가능한 기계적 특성을 갖는 레이저 직접 구조화 물질
Garcia et al.2010|ABS polymer electroless plating through a one-step poly | covalent grafting
JP5831087B2|2015-12-09|加飾シート及び加飾成形品
CN1192053C|2005-03-09|增加金属薄膜对聚亚苯基醚树脂的粘接力的方法
US4666742A|1987-05-19|Polymer composition containing an organic metal complex and method for producing a metallized polymer from the polymer composition
CN101283414B|2011-09-14|施加金属层用的含有两种不同金属的分散体
JP2008273164A|2008-11-13|導電性物質吸着性樹脂フイルム、導電性物質吸着性樹脂フイルムの製造方法、それを用いた金属層付き樹脂フイルム、及び、金属層付き樹脂フイルムの製造方法
WO2010024391A1|2010-03-04|積層体及び積層体の製造方法
US20120074094A1|2012-03-29|Manufacturing Method for Forming Circuit Structure on Non-Conductive Carrier
JP2012500142A|2012-01-05|形成可能な軽量複合材
US7820274B2|2010-10-26|Prepreg and conductive layer-laminated substrate for printed wiring board
TWI664645B|2019-07-01|集成透明導電膜、包含彼之觸控螢幕、及從彼熱成型物件之方法
CN101747619B|2012-12-05|Emi/rfi屏蔽树脂复合材料及使用其制得的模制品
RU2394402C1|2010-07-10|Способ изготовления структурированных, проводящих электрический ток поверхностей
CN101300284B|2011-05-11|环氧树脂组合物,导电薄膜形成方法,导电图案形成方法,以及多层布线板制造方法
KR102031105B1|2019-10-11|레이저 직접 구조화 물질 및 이의 제조 방법
EP2785896B1|2015-09-23|Verfahren zur herstellung elektrisch leitfähiger strukturen auf nichtleitenden substraten und auf diese weise erzeugte strukturen
CN102802346A|2012-11-28|一种液态金属印刷电路板及其制备方法
US20090285976A1|2009-11-19|Method for producing electrically conductive surfaces on a support
KR20120107044A|2012-09-28|그라핀 시트 및 흑연을 함유하는 중합체 조성물
JP2015187260A|2015-10-29|接着フィルム
同族专利:
公开号 | 公开日
US20110014492A1|2011-01-20|
EP2265746A2|2010-12-29|
CN101970720A|2011-02-09|
KR20100126505A|2010-12-01|
WO2009112573A2|2009-09-17|
CN101970720B|2014-10-15|
JP5575669B2|2014-08-20|
WO2009112573A3|2010-02-25|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
JPS60110893A|1983-11-17|1985-06-17|Kansai Paint Co Ltd|Treatment of plastic article to provide electric conductivity|
JPH03181532A|1989-12-11|1991-08-07|Sumitomo Metal Ind Ltd|Expanded graphite dispersion type composite resin|
US5334279A|1993-04-08|1994-08-02|Gregoire George D|Method and apparatus for making printed circuit boards|
JPH09500419A|1993-05-17|1997-01-14|エレクトロケミカルズ・インコーポレイテッド|カーボン組成物および電気めっきのための非導電性基板の調製方法|
JP2000256892A|1999-03-11|2000-09-19|Mikuni Color Ltd|プラスチック成形品のメッキ方法|
JP2000265086A|1999-03-11|2000-09-26|Mikuni Color Ltd|導電性塗料組成物とそれを用いた導電化処理方法|
JP2007016093A|2005-07-06|2007-01-25|Teijin Chem Ltd|Thermoplastic resin composition|
JP2010500446A|2006-08-10|2010-01-07|ダウグローバルテクノロジーズインコーポレイティド|高膨張黒鉛を充填したポリマー|JP2012158814A|2011-02-01|2012-08-23|Hayakawa Rubber Co Ltd|グラフェン構造を持つナノ構造体の吸着方法及びその吸着方法を用いた無電解メッキ方法|
WO2013108713A1|2012-01-19|2013-07-25|サンアロー株式会社|電解メッキ用プライマー組成物、メッキ物の製造方法及びメッキ物|
WO2013125763A1|2012-02-21|2013-08-29|주식회사 카보랩|방열 코팅 조성물, 이를 코팅시킨 방열판 및 그 제조방법|DE1300266B|1960-06-10|1969-07-31|Bayer Ag|Verfahren zur Herstellung hochmolekularer, linearer Polycarbonate|
DE1495730B2|1963-07-24|1971-03-18||Verfahren zum herstellen thermoplastischer polykondensations produkte|
US3737409A|1971-03-08|1973-06-05|Gen Electric|Copolycarbonate of bis-3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl)sulfone with bisphenol-a|
JPS5313610A|1976-07-23|1978-02-07|Nippon Carbon Co Ltd|Compound sheet materials|
DE2826925A1|1978-06-20|1980-01-17|Basf Ag|Witterungsbestaendige, schlagzaehe thermoplastische massen mit guter einfaerbbarkeit|
DE3040784C2|1980-10-29|1982-11-18|Schildkroet Spielwaren Gmbh, 8057 Eching, De||
DE3149358A1|1981-12-12|1983-06-16|Basf Ag|Thermoplastische formmasse|
DE3414118A1|1984-04-14|1985-10-24|Basf Ag|Thermoplastische formmassen|
JPH0450931B2|1984-12-25|1992-08-17|Isuzu Motors Ltd||
AT383991B|1985-11-14|1987-09-10|Klepsch Senoplast|Verfahren zur herstellung von verbundplatten|
DE3601421A1|1986-01-20|1987-07-23|Basf Ag|Thermoplastische formmassen|
US5269891A|1989-03-09|1993-12-14|Novo Nordisk A/S|Method and apparatus for determination of a constituent in a fluid|
DE4011162A1|1990-04-06|1991-10-10|Basf Ag|Thermoplastische formmasse|
US5250228A|1991-11-06|1993-10-05|Raychem Corporation|Conductive polymer composition|
US5591382A|1993-03-31|1997-01-07|Hyperion Catalysis International Inc.|High strength conductive polymers|
US5725807A|1993-05-17|1998-03-10|Electrochemicals Inc.|Carbon containing composition for electroplating|
DE4420952A1|1994-06-17|1995-12-21|Basf Ag|Thermoplastisches Elastomer|
DE19615533A1|1996-04-19|1997-10-23|Basf Ag|Thermoplastische Formmasse|
DE19728629A1|1997-07-04|1999-01-07|Basf Ag|Thermoplastische Formmassen mit geringer Eigenfarbe|
CA2404328C|2000-03-30|2010-02-16|Aurentum Innovationstechnologien Gmbh|Printing process and printing machine for same|
DE10228376A1|2002-06-25|2004-01-15|Basf Ag|Formteil umfassend eine Verbundschichtplatte oder -folie und eine Trägerschicht|
US6927250B2|2002-08-15|2005-08-09|Advanced Energy Technology Inc.|Graphite composites and methods of making such composites|
US20060241237A1|2002-09-12|2006-10-26|Board Of Trustees Of Michigan State University|Continuous process for producing exfoliated nano-graphite platelets|
JP4365114B2|2003-02-28|2009-11-18|トヨタ自動車株式会社|無電解めっき素材の前処理方法とめっき被覆部材の製造方法及びめっき部品|
DE10321081A1|2003-05-09|2004-12-02|Basf Ag|Mischungen enthaltend thermoplastisches Polyurethan und ASA|
US7354354B2|2004-12-17|2008-04-08|Integran Technologies Inc.|Article comprising a fine-grained metallic material and a polymeric material|
KR20080005973A|2005-04-27|2008-01-15|바스프 악티엔게젤샤프트|개선된 성형 성질을 갖는 금속 도금용 플라스틱 물품|
WO2007039323A1|2005-04-27|2007-04-12|Basf Aktiengesellschaft|Kunststoffgegenstände zur metallisierung mit verbesserten formgebungseigenschaften|
US7658901B2|2005-10-14|2010-02-09|The Trustees Of Princeton University|Thermally exfoliated graphite oxide|
JP4468295B2|2005-12-15|2010-05-26|ダイセルポリマー株式会社|めっき樹脂成形体|
JP2009534525A|2006-04-18|2009-09-24|ビーエーエスエフソシエタス・ヨーロピアBasfSe|電解コーティング装置及び電解コーティング方法|
CN101473072A|2006-04-18|2009-07-01|巴斯夫欧洲公司|电解涂覆装置和方法|
KR20090025337A|2006-06-14|2009-03-10|바스프 에스이|지지체 상의 전기 전도성 표면의 제조 방법|
BRPI0714608A2|2006-08-03|2013-06-18|Basf Se|processo para aplicaÇço de uma camada metÁlica em um substrato, uso de nanotubos de carbono, superfÍcie de substrato, e, uso de uma superfÍcie de substrato|
TW200829726A|2006-11-28|2008-07-16|Basf Ag|Method and device for electrolytic coating|
JP2010515233A|2007-01-05|2010-05-06|ビーエーエスエフソシエタス・ヨーロピアBasfSe|導電性表面の形成方法|
TWI368722B|2007-01-17|2012-07-21|Univ Feng Chia|Heat dissipation structure|
US7849875B2|2007-07-31|2010-12-14|Alcon, Inc.|Check valve|
US9600067B2|2008-10-27|2017-03-21|Sri International|System and method for generating a mixed reality environment|CN101864237A|2009-04-03|2010-10-20|美铝公司|导电固体薄膜材料|
CN102471938B|2009-06-30|2014-08-13|巴斯夫欧洲公司|包含可染色颗粒的聚酰胺纤维及其生产方法|
JP5709870B2|2009-09-04|2015-04-30|ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se|導体トラックを印刷するための組成物、及び太陽電池の製造方法|
JP5984671B2|2009-09-04|2016-09-06|ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se|電極を印刷するための組成物|
DE102009055428B4|2009-12-30|2013-04-11|Dronco Ag|Roughing and / or cutting disc|
KR20120137481A|2010-02-16|2012-12-21|바스프 에스이|시드 층을 인쇄하기 위한 조성물 및 전도체 트랙을 제조하기 위한 방법|
US8895651B2|2010-02-16|2014-11-25|Basf Se|Composition for printing a seed layer and process for producing conductor tracks|
AU2011216964B2|2010-02-17|2015-07-09|Basf Se|Process for producing electrically conductive bonds between solar cells|
KR101537638B1|2010-05-18|2015-07-17|삼성전자 주식회사|그라펜 박막을 이용한 수지의 도금 방법|
FR2971637A1|2011-02-16|2012-08-17|Getelec|Procede et dispositif permettant de relier un cable et un connecteur, en assurant la continuite du blindage electromagnetique de l'ensemble.|
CN103402914B|2011-03-23|2015-08-12|积水化学工业株式会社|氧化薄片化石墨衍生物、其树脂复合材料以及该树脂复合材料的制造方法|
KR102025305B1|2011-05-03|2019-09-25|더 보드 오브 리전츠 포 오클라호마 스테이트 유니버시티|폴리에틸렌 테레프탈레이트-그래핀 나노복합체|
DE102011081517A1|2011-08-24|2013-02-28|Endress + Hauser Gmbh + Co. Kg|Feldgerät für die Automatisierungstechnik|
US8691335B2|2012-02-08|2014-04-08|Empire Technology Development, Llc|Coating a substance with graphene|
EP2820656A1|2012-02-27|2015-01-07|E. I. Du Pont de Nemours and Company|Silver paste and use thereof in the production of solar cells|
CN102888041B|2012-10-18|2014-04-30|合肥工业大学|一种具有防静电和抗菌性能的薄膜包装材料及其制备方法|
TW201500064A|2013-06-28|2015-01-01|Nat Univ Tsing Hua|抗菌材料及其製備與使用方法|
CN107923043A|2015-07-30|2018-04-17|巴斯夫欧洲公司|将塑料表面金属化的方法|
JP6322663B2|2016-03-28|2018-05-09|株式会社Subaru|樹脂組成物の成形品の接合構造|
CN110158132A|2018-02-13|2019-08-23|华瑞墨石丹阳有限公司|一种绝缘材料的电镀方法|
WO2019182652A1|2018-03-19|2019-09-26|Nanotek Instruments, Inc.|Apparatus for graphene-mediated production of metallized polymer articles|
法律状态:
2012-03-10| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120309 |
2012-03-10| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120309 |
2013-10-04| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131004 |
2013-10-16| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131015 |
2014-01-08| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140107 |
2014-01-16| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140115 |
2014-02-15| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140214 |
2014-06-03| TRDD| Decision of grant or rejection written|
2014-06-11| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140610 |
2014-07-10| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140702 |
2014-07-11| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5575669 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
2017-07-11| LAPS| Cancellation because of no payment of annual fees|
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]